勝敗はともかく、自民党の躍進で、どの政党も議席の過半数(326議席)に届かない「ハング・パーラメント」(中ぶらりんの議会)の可能性はより高まった。選挙戦後に連立政権を模索することになれば、同党が「キングメーカー」になるのは確実だ。
2大政党の批判の応酬だった選挙戦の様相も変化しつつある。保守党のキャメロン党首は「自民党に投じることは、また5年間ブラウン首相ということだ」と矛先を自民党に向ける。逆に、自民党との連立をもくろんでいると言われるブラウン首相は政策の近さを訴え、秋波を送る。
ただ、2大政党にとっては、政策論争で中道の自民党を攻めることは、これまで自らがとってきた中道化路線の否定にもつながるため難しく、攻めあぐねている。