母・藤崎イチ子さん(享年65)を心筋梗塞(こうそく)のため3月29日に亡くしたタレントの上原美優(22)が19日、都内で新製品のアイスの発表会に出席。悲報後、初めての公の場で現在の心境を明かした。上原は10人きょうだいの末っ子。生前の母が作ってくれた“貧乏アイス秘話”を交え、時折、目頭をぬぐいながら「今も私のそばにいてくれているはずなので大丈夫です!!」と気丈に笑顔を振りまいた。
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「『負けないよ、東京に!!』って伝えたいです。母は私の中で…きょうだいの中で…まだ生きているので。今も絶対に私のそばにいてくれているはずだから」‐。
目を潤ませながら、上原は気丈に前を向いた。声を詰まらせ、うつむいたが、すぐに顔を上げて笑顔を見せた。まるで天国の母に語りかけているかのようだった。
10人きょうだいの末っ子。おやつ代わりに草を食べるなど貧しい生活を送った。それでも伸びやかに育ったのは「世界で1番ってくらい頑張り屋の立派なお母さん」(上原)がいたからだろう。今でも母が亡くなったことに実感が持てず、携帯電話にかけてしまうこともあるという。
サッカー日本代表とのコラボアイス「ガリガリ君ソーダ SAMURAI BLUE」の発表会で、上原はガリガリ君のPR大使に就任。が、実はガリガリ君を食べたことがないという。代わりに、幼少時代から食べていたのは母の手製の“貧乏アイス”。「お母さんが作ってくれた、カルピスを薄めて凍らせたアイスが我が家のアイスでした。味は、ほとんど水と同じですね。昨年も実家に帰ったときに食べたんです」。うっかり他社製品の名前を出し、懐かしそうに目を細めた。
故郷の鹿児島県・種子島で3月31日に営まれた葬儀には、初めて10人のきょうだいが勢ぞろいし、一緒に家族写真も撮ったという。上原は「きょうだいがいてよかった。悲しみも楽しさも10倍だから。お母さんのもとに生まれて本当によかった」と目頭をぬぐい、母に心から感謝していた。