激励に訪れた徳山氏(左)と名城=大阪市内の六島ジム
「WBA世界Sフライ級タイトルマッチ」(5月8日、大阪府立体育会館)
王者・名城信男(六島)が、先輩から“長期防衛の極意”を伝授された。V3戦をテレビで解説する、元WBC世界Sフライ級王者の徳山昌守氏(35)が19日、大阪市の六島ジムを訪問。合計9度の防衛に成功した徳山氏は「目の前の試合を一戦一戦クリアしていくことが長期防衛につながる」と、後輩にエールを送った。
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3度目の防衛戦に臨む名城の胸に、力強い言葉が刻まれた。「目の前の試合に集中して、一戦一戦をクリアしていくことが長期防衛につながる」‐。元世界王者・徳山氏の言葉だった。
徳山氏は00年8月に王座を奪取し、04年6月に陥落するまで連続8度の防衛に成功。05年7月の再奪取後の1度を合わせた9度の防衛は、日本ジム所属王者としては歴代4位の記録だ。同氏は「あんまり先のことを考えると、足をすくわれるからね」と、長期政権を築く“極意”を伝えた。
続けて「肉を食べれば大丈夫。練習なんかしても強くならないから」とおどけた。さらに「祝勝会の場所は決まってますか?いいところがありますよ」と、自身が経営する焼き肉店をちゃっかりアピール。名城は笑顔で「必ず行きますよ」と必勝を約束した。
名城は、世界戦前としては最長の12ラウンドのスパーリングを行った。スイッチを得意とするカサレス対策として、左右のパートナーと拳を交えた。「今が一番しんどい時」と言いながらも、軽快な動きで圧倒。見守った徳山氏から「これだけ動けたら大丈夫。安心したよ」と太鼓判を押された。
「スイッチはもう慣れた。大丈夫」と笑顔を見せた王者は、「後半でもいいんで、仕留められれば」とKO防衛を宣言。先輩王者の“金言”を胸に、しっかりと3度目の防衛戦をクリアする。
(2010年4月21日)