smashmedia

« 5月にアップグレードふくいで講演します | メイン | メディアリテラシーについて少し »

「ツイッターを疑え!」を疑え

先日取材された某週刊誌が発売されました。

20100412184949.jpg

相武紗季の胸元が気になりつつも、今日の本題は特集の「ツイッターを疑え!」のほうです。なんともまあ攻撃的なタイトルです。

20100412185044.jpg

まともな神経の人ならこの時点で偏向報道だと思うわけですけど、メディアってのはいつもこう。まあ旧来のマスメディアを批判しているCGMでも同じような都合のいいバイアスがかかりまくってるのは残念だけど。

ぼくのところはこんな感じです。カメラマンの方が同行されてて、写真も載せてもらいました(このへんは業界誌だと記者・編集者が自分でデジカメで撮るので、大手は違うなあと思ったり)。

20100412185212.jpg

当日の感想としては2時間も話したくらい盛り上がって、なかなか楽しかったんですが、じっさいに届いた原稿はぜんぜん歪曲されていて(「拡大解釈してしまった」という詫びともつかない説明があったけど、明らかに悪意がある解釈だった)、それを修正して戻した原稿も校了ギリギリに話してもない内容をねじこんできたり、まったくもってひどい話でした。

ぼくは一貫して「Twitterに罪はない。包丁でうまい料理を作る人もいれば、誰かを刺しちゃう人もいるわけで、だからといって包丁が悪ではないでしょう。交通事故を取り上げてクルマを使うなとは言わないでしょう」と話してたんだけど、最初の原稿にはいっさい反映されてなくて、むしろ超批判的なリスク部分だけを強調した内容になっていた。

掲載誌を見て納得したんだけど『週刊ポスト』としては、否定的な人を集めて、否定的なことをしゃべらせたいだけなんだろうね。そしてぼくも否定的な人だと思われてたんだろうな。ぼくは否定的なんじゃなくて、現実的なだけなのに。

ただまあ一回だけでも確認させてもらえたので良心的だと思います。70%くらいは書き直せたし。そのあとまた変えられちゃったけど。

ということで、掲載前の原稿の変化を見てもらいます。
左が取材後に先方から届いた最初の原稿。その際に「直していい」と言われたので、文字数を気にしながらぼくが直したのが右側です。
(じっさいはさらに先方で修正が加えられて掲載されてるんだけど)

受け取った初稿ぼくが直した原稿
 ご存知のように、ツイッターはユーザーの〝善意〟を前提に運営されています。それゆえ、ビジネスに活用する、つまり、つぶやきをお金に換えていくことは非常に難しいといわざるを得ません。
 企業として、ツイッターを利用して、反応が乏しい、成果がないだけならまだましな方です。
 現にいくつかの企業は痛い目に遭っています。
 今年2月、飲料メーカーのUCC上島珈琲が、ツイッターに11ものアカウントを開設し、コーヒー関連のつぶやきを検索したユーザーに、同社の広告的なツイートを送るキャンペーンを展開した。これは検索ロボットを使って、同社のフォロワーではないユーザーにも自動的にツイートが届くようにしたものでした。コーヒーの情報を求めているのだから喜んでくれるだろう、いかにも優秀なマーケティングの担当者が考えそうなことです。
 しかし、結果は逆でした。UCCのつぶやきはスパム(営利目的の無差別大量配信)扱いされ、ツイッター上には痛烈な批判が溢れ、UCCは同キャンペーンからの即時撤退を余儀なくされた。
 3月には、アパレルメーカーのベネトンが新宿店のオープンに際し、商品購入後に「ベネトン新宿なう」とつぶやくと、その時点でのフォロワー数×1円を現金で還元するキャンペーンを実施しました。画期的な試みでしたが、これについても、「行儀が悪い」と少なからぬ反発を買った。
 ネットのユーザーは、ヘビーであればあるほどリベラル指向が強く、カネ儲けを敵視する傾向すらあります。最近では、クレーマーまがいの人物がツイッターでの書き込みを理由に会社へ抗議電話をかけるという〝リアル攻撃〟に発展するケースも増えてきているといいます。
 ツイッターでの作法を間違えてしまうと、会社のイメージを傷つけかねないというリスクがあるのです。案外知られていない事実です。
 では、企業が使う場合のツイッター作法とはどんなものなのか。これがまた明確に定義されているわけではないから、難しい。
 今までの傾向から簡単にまとめると、以下のような感じになります。
・複数のアカウントは使わない
・広告・宣伝と受け取られるつぶやきは避ける
・頻度は多いほうがよい
・管理されている印象は与えない
 カンのいい方ならお気付きでしょうが、企業は利益をあげるという〝本当の思惑〟を覆い隠しながらつぶやき続けないといけないわけです。ツイッターを販売促進ツールと捉えると失敗します。
 次に問題になるのは、誰がつぶやくか、です。ツイッターの作法を肌感覚で理解しているのは若い人でしょうが、じゃあ彼らが会社を代表して、反発を巧妙に避けながら、思惑を果たすべくユーザーを誘導できるか。技術も根気も要する作業です。
 つまり、ツイッターを活用しようとするなら、まず人づくりが必要になるのです。あらゆる類のつぶやきにも素早く対応できる幅広い見識と判断力を持った社員でないと務まりません。大企業なら複数必要でしょう。自宅でやるなら残業手当か特別手当をつけないと。そうした覚悟も準備もなく、ただつぶやかせてみても、リスクのほうがむしろ大きくなる。
 企業にとって、ツイッターの最大の魅力は、ユーザーの生の声を聞けることです。よりよい商品、サービスをつくっていくために、お客様の声に耳を傾ける。僕はブックオフ・オンラインの取締役を務めていますが、わが社でもそう割り切って使っています。
 自社名でツイッターに検索をかけ、「サイトの使い方がわからない」なんてつぶやきがあると、こまめに返事をする。今まで、約500人のツイートに返信してきましたが、「宣伝するな」という拒否反応はわずか2~3例でした。
 ツイッターの文化の基本は、「返信不要」ですが、ふとした自分のつぶやきに、当該の企業から返信があったりすると、ユーザーにとっては嬉しいサプライズです。また、質問が寄せられた場合にできるだけ素早く誠心誠意答えれば、企業のイメージをぐっとよくできる。『加ト吉』の担当者なんて、年末の紅白歌合戦を観ている時でもつぶやいていたらしいですね。
 双方向のコミュニケーションを繰り返していくことでサービスの改善点が見えてくる、そういう感覚でツイッターを考えれば、有効活用できるのではないでしょうか。
 ツイッターの導入が、ブックオフ・オンラインの売り上げにどう貢献しているのかは正直わかりません。ただ、ファンが増えているという手応えはあります。つぶやき文化はまだまだ試行錯誤の段階。トライしてみるなら、何よりそれを踏まえておくべきです。

こうのたけし/1974年生まれ。立命館大学経済学部卒後、ニフティ入社。01年に退職後、オンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOなどを経て、現在はブックオフオンライン株式会社取締役を務める。主な著書に『そんなんじゃクチコミしないよ』(技術評論社)
 企業として、ツイッターを利用して、反応が乏しい、成果がないのは珍しいことではありません。
 盛り上がってるという一部の情報に惑わされて、流行りモノのサービスに手を出してもうまくいかないのは歴史が証明しています。多くの企業ブログはすでに更新されていませんし、参入したものの閑古鳥が鳴いて撤退したセカンドライフと同じです。
 それはそもそも企業側に消費者と繋がりたいという意志がないからでしょう。その気もないのにインターネットに参加してうまくいくはずがありません。
 インターネットは時間や距離といった従来の制約を取り払ってコミュニケーションを実現する画期的な技術です。コミュニケーションというのは「相手と繋がりたい」という欲求があってはじめて生まれ成立するものですから、言いたいことだけ聞いてほしいとか、相手の言うことは聞く気がないというスタンスでうまくいくはずがありません。
 ツイッターのようなオンラインコミュニティではそういう自分勝手なふるまいは強く拒絶されます。その結果、企業は評判を落としますし、ファンよりもアンチが増えることになります。
 現にいくつかの企業は痛い目に遭っています。
 今年2月、飲料メーカーのUCC上島珈琲が、コーヒーに関連するツイートをしたユーザーに、同社のキャンペーンを一方的に告知するツイートを送りつけました。しかもこれはツイッターの規約違反になることも承知した上で、利用停止になってもいいようにあらかじめ11ものアカウントを用意していたという悪質な手法です。じっさいにUCCのツイートはスパム(営利目的の無差別大量配信)扱いされ、ツイッター上には同社を批判する声があがりました。
 3月には、アパレルメーカーのベネトンが新宿店のオープンに際し、商品購入後に「ベネトン新宿なう」とつぶやくと、その時点でのフォロワー数×1円を現金で還元するキャンペーンを実施しました。これについてもフォロアーへのスパム送信を助長することや、一部のユーザーに便宜を図るという不公平感から「行儀が悪い」と少なからぬ反発があります。
 すでにお気づきかと思いますが、そもそもツイッター自体の是非論は無意味です。包丁はおいしい料理を作る道具にもなれば、人を殺める道具にもなる得るわけで、ツイッターも道具に過ぎません。使う人のマナーやモラル次第では、会社のイメージを傷つけかねないというリスクがあるのです。
 では、企業が使う場合のツイッター作法とはどんなものなのか。これがまた明確に定義されているわけではないから、難しいです。
 今までの傾向から簡単にまとめると、以下のような感じになります。
・アカウントの用途を明示する
・公平な態度を心掛け、特定のユーザーを優遇しない
・ユーザーへの返事は慎重にする
 広告・宣伝と受け取られるツイートそのものがダメなのではなく、「お買い得情報を案内するアカウントです」と明示されていれば問題にならないのです。ツイッターでは興味のある人だけがフォローするので。
 同時に、検索して見つけたユーザーのツイートに一方的に返事する場合は慎重になる必要があります。僕は論語にある「己の欲せざるところ人に施す事なかれ」はマーケティングの基本だと思っています。
 次に問題になるのは、誰がつぶやくか、です。ツイッターの作法を肌感覚で理解しているのは若い人でしょうが、彼らにある程度の自由を与えて活動させるリスクが取れるのか、企業の覚悟が問われていると言えます。
 つまり、ツイッターを活用しようとするなら、まず組織づくりと人づくりが必要になるのです。あらゆる類のツイートにも素早く対応できる幅広い見識と判断力を持った社員でないと務まりません。担当者が離職する可能性も考えると複数人必要でしょう。自宅でやるなら残業手当か特別手当をつけないと。そうした覚悟も準備もなく、ただつぶやかせてみても、リスクのほうがむしろ大きくなる。
 企業にとって、ツイッターの最大の魅力は、ユーザーの生の声を聞けることです。よりよい商品、サービスをつくっていくために、お客様の声に徹底的に耳を傾ける。僕はブックオフオンラインの取締役を務めていますが、わが社でもそう割り切って使っています。
 自社名でツイッターに検索をかけ、「サイトの使い方がわからない」なんてつぶやきがあると、こまめに返事をする。今まで、約500人のツイートに返信してきましたが、「宣伝するな」という拒否反応はわずか2~3例でした。
 ツイッターの文化の基本は、「返信不要」ですが、ふとした自分のツイートに、企業から返信があったりすると、ユーザーにとっては嬉しいサプライズです。また、質問が寄せられた場合にできるだけ素早く誠心誠意答えれば、企業のイメージアップにも繋がります。
 双方向のコミュニケーションを繰り返していくことでサービスの改善点が見えてくる、そういう感覚でツイッターを考えれば、有効活用できるのではないでしょうか。
 ツイッターの導入が、ブックオフオンラインの売り上げにどう貢献しているのかは正直わかりません。ただ、ファンが増えているという手応えはあります。つぶやき文化はまだまだ試行錯誤の段階。トライしてみるなら、何よりそれを踏まえておくべきです。

こうのたけし/1974年生まれ。立命館大学経済学部卒後、ニフティ入社。01年に退職後、オンライン書店ビーケーワンの専務取締役兼COOなどを経て、現在はブックオフオンライン株式会社取締役を務める。主な著書に『そんなんじゃクチコミしないよ』(技術評論社)

こちらには取材時のテープがあるのでそれを公開することもできるんだけど途中で電池が切れちゃったので、2時間のうち1時間半くらいしか録音できてないんだよね。

掲載誌を読まれた方ならわかると思いますが、

最近ではクレーマーまがいの人物がツイッターの書き込みを理由に、会社へ抗議電話をかけるという"リアル攻撃"に発展するケースも増えているといいます。

なんてことはひと言も話してないのに勝手に挿入――卑猥な表現だけど、こんなのはメディアによるレイプだね――された部分です。いま読み返したら最初の原稿にはあるから戻されたって感じですね。ていうかそんな可能性はTwitterだけじゃないし、ブログやテレビCMだって起こるリスクは同じでしょ。
しかもそれを見出しとして使われてて、ぼくも否定派として「演出」したかったんでしょうね。

ほかの3人(中川淳一郎氏、宮脇睦氏、岸博幸氏)の原稿がどんなふうに歪曲されてるのかはわかんないけど、3人はわりと普段から同じような批判をしているのでそんなに修正されてないのかな。ここは聞いてみたいところです。

それにしても宮脇氏の「デルのTwitterでの売上が全体の0.002%しかない」という指摘はとんちんかんだよなあ。300万ドルは300万ドルであって、そこにいくら人件費がかかったとかROIベースで比較するのはまだわかるけど、なんで総売上と割り算するのか意味不明。もし寝てても年間3億儲かるなら最高じゃんね。

こういう批判のための揚げ足取りみたいなことをする人がいて、それを助長するメディアがいる。その一方でなんも考えずに(というか自分の利益のために)煽りまくる人がいて、それを助長するメディアもいる。

こんなふうにメディアが報道するスタンスはニュートラルではないし、それはそもそもムリなので、きちんと読み手側がそこにどんな「意図」があったのかを正確に見抜かないといけないし、それがいわゆるメディアリテラシーです。
だからぼくらももっと鍛錬しないといけない。バカになる前に。思考停止になってるとどんどん洗脳されちゃうので。

と同時にいい加減に「演出」や「編集」という名の改ざんをしても、ここで示したように、どんなふうに「編集」されたかが暴露される世の中になっていることをメディアの人は知っておいたほうがいい。
一方的な報道でだませる人の数はどんどん減っています。本人にその気さえあれば情報を集め、事実を多面的に捉えることができるのがネット社会です。

マスコミのみなさん、これがソーシャルメディアです。

[追記]
岸さんのTwitter、Google、Amazonによってすべての情報が握られるという指摘は「いつのビッグブラザーだよ」って話だし。まあGooglezonなんてのもあったよね。

[さらに追記]
じつはいちばん驚いたのは肩書きが「WEBデザイナー」になってたこと。初めて呼ばれたよ。

感想メール

感想を送る感想をメールで送る

トラックバック

この記事のトラックバックURL:

» ツイッターを疑え!に学ぶ
 Twitter上を中心に、昼のうちにもう語りつくされてしまったようですが、某週刊誌のツイッター記事に関して。 「ツイッターを疑え!」を疑え | sma...

» プラットフォームが変わっても、それを使う人間のマインドが一緒ならあんまり意味がない
この間の弘前大学が馬鹿だって話もそうなんだけれど、今の世の中で馬鹿と馬鹿じゃない奴の差っていうのは、ひとつには「情報の公開」の意味をきちんと理解しているか...

» 「ツイッターを疑え!」をめぐって。:「編集」と「改竄」
例のツイッターをやっていて事故ったというネタに便乗して、某週刊誌が反ツイッター記事を掲載した。 その記事で取材を受けたブックオフオンライン株の取締役...

» 大手企業の真価が問われる時代ですね
連日Twitterが話題になる昨今、いかがお過ごしでしょうか(笑) 最近とみに時...

コメント(18件)[コメントだけのRSS]

掲載紙そのものは見てないですが、新聞広告で「WEBデザイナー」になってるんだあw と思っていたわたしです。
まあ、メディアって(特に週刊誌なんて)そんなもんですよね。という、基礎的な認識をまず持たなくてはいけませんよね。本来的には哀しいことなんですけれど。
メディアは自らの首を絞めているということを、もっと自覚しなければ将来はないと知るべきなのになあ。
お疲れ様でした。

あまりの曲解と捏造に近い記事で、思わず愕然としました。意図的な記事を、少しでも修正されて、良かったですね。何とも言えないような不快感で、お気持ちお察しします。大柴ひさみ

こんにちは。TMH池田さんやロフトワーク林さんなどから、河野さんのことは伺っています(「そんなんじゃクチコミしないよ」も拝読し、共感しました!)。

スカッとする記事…というか、取材を受けたものしかわからない気持ちを吐露して頂き、ほんとうにありがたいです。
僕もいろいろと取材を受けたことあるんですけど、「ゴシップで読者を集めてきた冊子」ほど、歪曲振りがすごいし、「締め切りに間に合わない」を言い訳にされた経験があります。

結局「ゴシップ、偏向報道(結論ありき、の報道)が好きな人」に対し商売した方が、短期的な利益を稼げていい、という商売手法をとっているマスメディア、多いと感じています。

ソーシャルメディアがどんどん発展&国民が情報リテラシーを身につければ、駆逐されるんですけどね。
だから僕は、マスメディアが悪いんじゃない、それを選ぶ国民が悪いんだ、と言い聞かせ、情報リテラシーを持つよう自分の持っているメディアで訴えるとともに、自分の記事が歪曲されてもぐぐっとこらえることにしています(サラリーマンですから…苦笑)


道具に罪はないんですよね。その道具をどう使うか、ひとえに利用者の知恵・知識であって。。。

「一方的な報道でだませる人の数はどんどん減っています。本人にその気さえあれば情報を集め、事実を多面的に捉えることができるのがネット社会です。
マスコミのみなさん、これがソーシャルメディアです。」

共感します。

追記の「ビッグブラザー」にクスッときました。
現実に賄える額の費用でビッグブラザーが実現できているなら、世界中に全体主義国家が誕生しているはずなんですよね。

ネットのことを多少を知って、コミュニケーションのリスクヘッジは出来てもリスクの消滅はできないという前提を理解できれば、ソーシャルメディアは企業も積極的に参加できる場だと思います。
でも、責任の所在が不明確で、権限を各部署に委ねられない企業組織の場合には、失敗のリスクが大きく「見え」過ぎるということなんでしょうね。

このエントリーを読んでメディアって政治と似てるような気がしました。
メディアも政治(政党かな)も選ぶのは読者(国民)。買った(選んだ)のに記事(マニフェスト)が歪曲(ないがしろ)されてたら、(購読率)支持率は落ちる。
メディアも政治もブランドプロミスをもっと大切にしなきゃなあと感じた次第です。

この記事も週刊ポストへの批判ありき・自己擁護オンリーに読めます。
捏造とは言いませんが。
要所要所の裏付けが欠けています。
最初の取材時の一問一答を示していただかなければ、ポストが捏造したかどうかわかりません。
初稿とその変更要求版を比べても無意味でしょう?
ポストに言わせれば「最初の取材時に言ったことと違うじゃないか」かも知れません。
録音公開できるけど、電池切れで全部録音できてないとか、子供が言い訳の作り話をしてるようです。
デルの話にしても、「売上」が0300万ドルなのに、寝てても3億「儲かる」って、理解不能です。
揚げ足とりに思われますか? 嘘つきだと言ってると思いますか?
違います。
文章の端々から、書き手の誠意やその信憑性を推し量った結果です。
ツイッターの作法をここまで熱心に説かれているようですが、この文章からは何が本当か疑わしくなります。
そうやって読み取ること・伝えることがメディアリテラシーなんですよね?

まあ、ポストの読者層を考えると、この記事読んで「そっか、ツイッターって下手に使ってもケガするだけみたいだから、無理に使う必要も無いかな」って、ネットリテラシーの無さを妙に正当化して納得するオヤジたちが増えるだけだよね(笑)
つまり、既存読者に受けそうな記事を作ってるだけだから、新しい読者層は開拓できないし、出版社は自らジリ貧への道を歩んでいるというわけだ。

下記ブログエントリーもご参照あれ
http://bit.ly/cRXGR0

>ムムリクさん
あ、新聞広告には顔写真だけじゃなくて肩書きまで出てたんですか。中吊りにはなかったみたいなんですけど。
ぼくも「まあそんなもんだ」と思ってますし、取材をうけた以上はある程度の編集はしょうがないと思っています。ただまあ言ってないことくらいは弁明したいですね。せっかく自分のブログがあるんだし。
繰り返しになりますけど、事前に確認させてもらえただけでも(そのあと変えちゃうのはどうかと思うけど)良心的だと思ったのはほんとです。

>Z会寺西さん
お名前は拝見したことがあります。chiakiさんは仲良しです。
なんというか、メディアってのは商業的であれ、あるいはNPO的なものであれ、必ず偏るんですよね。それがイデオロギーだったりするので。
だからこそ読み手はポジショントークの、ポジションそのものをきちんと見抜かないといけないわけで。賛美が好きな人、全否定が好きな人、それぞれ好きで買って消費してるならいいと思います。Twitterのフォローと同じだし。
ただまあぼくは好きにはなれないですけどね、そのどちらも。事実を元に自分で判断する機会は捨てたくないものです。

>RyutaKさん
共感ありがとうございます。だからといってまだまだマスコミの影響力には叶わないんですけど、その気になればちゃんと一次情報にあたれる世の中にしていきたいですよね。

>OJさん
ビッグブラザーで笑っていただけてうれしいです。
「リスクマネジメント」や「リスクヘッジ」というのはリスクをゼロにすることではないですよね。そこを勘違いしている人が多いような気がします。
そこにどんなリスクがどのくらいあるのかを正しく認識して、取れるリスクかどうかを判断するのが大事であって、リスクが見つかったからやらないって話じゃないんですよね。
まさにおっしゃるとおりで組織の問題が大きいんですけど。

>TOKさん
コメントありがとうございます。どういうお立場の人かはわかりませんが、とても懐疑的なのですね。録音テープを公開するのはいいのですが、それこそ公開したところで「それがすべて」であることの証明はできないでしょ?
一問一答を書けというご指摘も同じです。それが事実かつすべてという証明ができないので、きっとTOKさんはツッコミ入れられたと思いますよ。
おそらくぼくのブログを今回の騒動で初めて読まれたんだと思いますが、過去の主張を聞いたり読んだりしている方には十分納得していただけると思っています。
それとたしかに「売上」と「儲かる(利益)」は並べる言葉としては不適切でしたね。そこは反省します(このコメントのやり取りで補足・訂正できるものとして本文はそのまま残しておきます)。

>SHUさん
この記事を読んで「Twitterなんか使うのやめとこう」とオジサンたちが思うのであれば、それはそれでいいと思います。セカンドライフのときのように、妙なのにダマされて失敗するくらいなら。
ぼくはぼくの主張を守りたかっただけで、こういう記事が世に出ることそのものについては、それこそ数ある情報のひとつに過ぎないのでかまわないと思っています。
ソーシャルメディアってのが簡単に絶賛できるものでもなければ断罪できるものでもないってことは伝えたかったんですけどね。そこはちょっと残念です。

大西さん、大柴さん、SPAMのほうに入ってて公開が遅れてすみません。

>大柴さん
あたたかいお言葉ありがとうございます。そもそもは人選ミスだと思います。ぼくを否定派の人間だと思ってコンタクトしてきちゃったんでしょうね。

>大西さん
コメントありがとうございます。
政治と似てるというのはたしかにそうかもしれませんが、たぶんもっと単純な話なんだと思います。「ウソつくなら絶対にバレたらダメ」という浮気とかのレベルと同じじゃないかと。
そしてほとんどのことはバレちゃう世の中になってるということを早く気付いて対応(適応)したほうがいいと思いますね。

これを見ると、「あなたの名前を数十万部の雑誌に出してあげているのだし、あなたの話をパクって書いた記事じゃないのだから、ありがたく思いなさい。それに、話したのはあなただけど、取材したのはこの私ですよ!取材テーマに沿うように書き換えるのに苦労したんだからね!」と、『週刊ポスト』や出版社が考えているように思えてならない。

le_trouさん、コメントありがとうございます。

ぼく自身はそこまで思ってなくて、まあこういうものだろうなという諦めもありますし、それはそれとしてその事実を開示することによって、メディアリテラシー教育の教材のひとつにでもなればいいなと思いました。
もちろん、いささか下品な行為であることは自覚しつつも、自分の信用を守りたいというのもあります。

じっさい編集者や記者の方からは丁寧な連絡もいただいているので、このことをことさらマスコミ攻撃の燃料にするのは本意ではないです。
まあ否定的な特集記事にしたかったのは事実でしょうから、そういう意味では人選ミスだったんだと思うんですよね。

既存メディアが持つ宿命的な欠点って、
あいだに誰かのフィルターが入ることですよね。
改めて痛感しました。
だからって既存メディアすべてを否定できるわけではないですが、
「インターネットすばらしい」って思ってしまう人がいる理由を
既存メディアはもっと真剣に理解するべきですよね。
自分で自分の首を絞めているというか。
それだけツイッターが怖いのかな(笑)とも思いましたけど。

はじめまして、ここtwitterで知りました。
この記事自分的には絶対納得いかないですね。
更にこのblogで真相を知りまして、ちょっと怒りすら覚えました。
当方web関連を含むサポート全般の仕事をやっているのですが
最近twitterで個別にクライアントさんのサイト、お店等のPRを行ったところ、今まででは考えられなかったような宣伝効果が出てびっくりしておりました。
もちろん経済効果もすごいもので、毎日新しい使い方を研究しながらやっておりますが数値的な結果だけではなく、お店対お客様のコミュニケーションの部分でもここ数ヶ月全く違うステージに立った感じがしていて驚いていました。
使い方次第ということなのでしょうが、とにかくtwitterは絶大な威力を発揮しているのです。
この記事の件、当方のクライアントさんから「何これ?」みたいな話でいろいろ聞かれました。
もう寝耳に水といった感じで当方のクライアントさんいわく「これだけの効果がでている上にクレームなんか全く無いのにのになんでこういう記事が出たんだ?絶対におかしいよ」とはっきり言っておりました。
このクライアントさんは飲食店でポスト置いていたんですが、今回の件で置くのをやめる事にしたそうです。
既存メディアの危機感の表れとも取れますし、ポストの読者層に対しての共感度を狙った記事だったのかも知れませんが、確実に失敗だったと思いますよ。

正直言って、ポストみたいな雑誌を読む人種は騙されても仕方ないような気がしますが。
自分はこの手の週刊誌なんて絶対に読みませんよ。人生の無駄です。
面白可笑しく煽り立てるだけしか能のない自称記者が、愚にも付かない文章を垂れ流して貴重な紙資源を浪費しているだけでしょう?
取材を受ける方も受ける方だと真面目に思いますね。

>Pikapikaさん
おっしゃるとおりで「だから既存メディアがダメ」という話ではないですよね。これをマスコミ叩きの燃料として使うんじゃなくて、メディアリテラシーを理解する事例のひとつとして見ていただけたらいいなと思います。
もちろんマスコミのみなさんにもちゃんと世の中の変化を理解してほしいですよね。

>ソランさん
じっさいにTwitterを活用されているのですね。しかも宣伝効果がすごいとのこと、非常に興味があります。よろしければ実例(ひとつの成功事例)としてお話を伺いたいです。
可能性の話で言えば何をやっても(それはテレビCMや雑誌広告でも)成功も失敗もあるわけですし、ネガティブな部分やリスクだけ取り上げるのはアンフェアだと思います。

>aioさん
コメントありがとうございます。取材をうけるほうもうけるほうというのはたしかにその通りだと思います。「ツイッターの功罪」についての記事だということだったので、ぼくとしては(礼賛ばかりの状況はそれはそれでおかしいと思っているので)正しく伝えたいという気持ちがありましたが、ここまでネガティブに振った内容になるとは思ってませんでした。
とはいえ客観的に見れば、こうして両極端の報道があるからこそバランスが取れる部分もありますし、受け手がきちんと読み取れればいいのでしょうね。

既存メディアを疑うと同時にネットに書いてあることも疑っているので、あくまでも河野さんの言い分として読ませていただきました……と言いたいところだけど、どうしてもこういうケースは心情的にネットに書いている個人に肩入れしてしまいます。ネットの特性なのか、私の個人的な性向なのか、考えあぐねています。

大東さん、コメントありがとうございます。
ここに書いてることも疑うというのは正しいと思います。いや、ウソは書いてないんですけど(ぼくの場合、書く理由もないので)当事者の意見は客観性に欠けるというのはその通りだと思います。

そしてぼくとしては別にマスコミを責め立てたいという気持ちはとくになくて、こうやって言ってないことが挿入されたり、勝手な解釈(というか歪曲)で書かれてしまうことは往々にしてあることなので、そのまま受け止めるのは危険ですよという、ひとつの事例として見てもらえれば十分です。

そもそも極端過ぎる絶賛も批判もぼくにしたらおかしい話で、ブログとかTwitterとかテレビとか週刊誌とか、なんでも長所短所はありますしね。

コメントを投稿(SPAM以外なら大歓迎です!)

この情報を登録しますか?
コメントへの返信をメールで通知しますか?

(コメント投稿に少し時間がかかることがありますが、クリックは一度だけでOKです)

※質問は掲示板でも受付けています。

関連記事

「シムエントリ」には「ぽぷる」のデータが使われています。感謝。

リンク元

« 5月にアップグレードふくいで講演します | メイン | メディアリテラシーについて少し »

最近のエントリー

カテゴリー別アーカイブ

月別アーカイブ

過去のダイジェスト(オススメ記事)

  • あわせて読みたい
  • TwitterCounter for @smashmedia
  • track feed
  • スカウター : smashmedia
  • この日記のはてなブックマーク数
  • 人気ブログランキング - smashmedia
  • Real Time Web Analytics