上海万博リハーサル混乱…イタリア館のガラス割れる

　【上海共同】５月１日に開幕する中国・上海万博の会場で２０日、市民ら２０万人が参加するリハーサルが行われたが、入場者が殺到してイタリア館のガラスが割れたり、入場ゲートでの安全検査が突然取りやめになるなどの混乱が起き、早くも運営への懸念が浮上した。

　リハーサルでは、会場の設備に不備がないかやテロ対策が万全かなどをチェック。いくつかのパビリオンでは入場者を実際に館内に入れて運営状況を確認したが、上海夕刊紙、新民晩報（電子版）によると、イタリア館で入場者が押し合いになり、入り口脇の縦３メートル、横３メートルのガラスが割れた。負傷者が出たかどうかは不明。

　同館は緊急措置として閉館を決定、長時間待っていた入場者が興奮し、現場は混乱したという。英国館でも、入場者の一部が柵を突破して乱入する事態となり、急きょ閉館した。

　公安当局は、１人１８秒で手荷物検査を済ませ、１時間で２０万人を入場させるとしていた。しかしある入場ゲートでは、入場者が多すぎて行列ができたため、安全検査や入場券のチェックを中止、そのまま会場に入れた。

　逆に１時間並んでもパビリオンに入れず、疲れてしゃがみ込む子どもも。「中国館は、予約を取るための行列が長すぎて並ぶ気になれない」などの不満も聞かれた。

　上海万博は半年間の開催期間で過去最高の７千万人の入場者を見込んでおり、１日平均４０万人が入場する計算。当局は入場者が殺到して事故が発生するのを警戒、６０万人を超えた場合は会場近くの駅に地下鉄が止まらないようにするなどして入場制限する方針。

　リハーサルは最大５０万人を動員して２６日まで計６回実施される。 （共同）

[ 2010年04月20日 22:03 ]