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きょうのコラム「時鐘」 2010年4月21日
上海万博のPRソングを巡る盗作疑惑は、中国側が非を認めて決着するようである。もっと、もめ続けるかと思っていた
何しろ、その種の話が絶えない国である。加えて、恐ろしくメンツにこだわる。が、さすがに、盗作は「ぬれぎぬである」と突っ張り切れなかったと見える。何しろ、万博には世界の大勢の目が集まる 日本人歌手に曲の使用を申請し、騒動は片付きそうだが、例によって国内に盗作騒ぎは報じられていないという。「ひとつ、ご内聞に」で済まそうという魂胆が透けて見えそうである 手っ取り早くうわさを広める方法を、聞いたことがある。仲間を酒の席に誘い、声を潜めてささやく。「これは君たちだけに話す。他言は絶対に無用である」。人の心理を逆手にとった芝居をすると、話は見る見るうちに広がり、余分な尾ひれまでが付くという 今度の騒ぎは、ネット上で火が付いた。あれは「ここだけの話」には、うってつけ。盗作疑惑を隠し通すことなど、無理な相談であろう。メンツを保つためのほおかぶりが、逆に早晩メンツを失墜させる。おかしなことが起きそうである。 |