JR京浜東北線・根岸線の上り電車で19日、朝のラッシュ時間帯に、女性専用車の運行が始まった。
女性専用車は午前6時31分の大船駅発から午前9時14分の川崎駅発までの計10車両で、後部の3号車が対象。
午前7時半、桜木町駅(横浜市中区)のホームには「女性専用車」と書かれたピンクの標示。到着車両の窓にもピンクのワッペン。制服の女子高校生は「女性ばかりだから安心できる」。一方で、通勤の女性(50)は「(女性客は)物を食べたり化粧したり、だらしないから乗らない」と首を振った。
京王電鉄が00年12月に初めて導入した時は「酔っぱらいがいや」との女性客の声に応え、深夜帯だけだった。05年からは朝も導入し、現在は午前7時半~9時半、午後6時~11時で実施している。痴漢の被害が多いJR埼京線では、昨年末から車内に防犯カメラが導入され、女性専用車は朝と夜に運行中だ。
05年から朝だけ実施する京浜急行電鉄のある駅長は「男性客から『痴漢と間違われるから男性専用車もつくれ』という注文もあるが、無理」と苦笑する。
JR東日本横浜支社は、この日主要ホームに警備員を配置、職員が利用状況を調査した。「車内アナウンスも流し、理解と協力を求めている。横浜線は車両が短く、運用しない」と説明する。【網谷利一郎】
毎日新聞 2010年4月20日 地方版