大鰐町の大鰐温泉スキー場で、2月にゴンドラ搬器の追突事故が発生していたことが19日、分かった。搬器2台のアクリルガラスにひびが入ったが、けが人はいなかったという。
一方、スキー場を運営する第三セクター大鰐地域総合開発(OSK)は4月に入るまで町、東北運輸局に事故を報告していなかった。
関係者らによると、2月14日午前11時ごろ、ゴンドラ山麓(さんろく)駅内の下り線降り場を過ぎたカーブで搬器1台が止まり、後続の搬器1台が追突。その衝撃でそれぞれアクリルガラスを1枚ずつ破損したという。
上り線の乗客全員を低速運転で山頂駅まで輸送した後、整備点検を実施。レールに亀裂が確認されたため、溶接修理を行い、試運転で安全を確認した上で正午に運転を再開した。
0SKは事故発生から2カ月近くたった4月9日に町、同16日に東北運輸局に報告。OSK社長を務める二川原和男町長は「現場の管理責任者が軽微な事故と判断したのかもしれないが、報告がなかったことは遺憾。運輸局の判断を待って対応する」と話した。
東北運輸局鉄道部は「報告を受け、電話で聞き取り調査中。事故が発生した場合は速やかに報告することを求めている。報告がいらない場合もあるが、判断できない場合も連絡すべき」とした。
OSKによるスキー場の指定管理は3月31日で終わり、社員は事務員2人を除いて解雇されている。