大田市は19日、今月から救急告示病院の指定を取り下げた市立病院(同市大田町)について、休止中の内視鏡検査を6月から復活することを明らかにした。この検査ができる消化器内科の常勤医を新たに副院長として採用する。同病院では08年から内視鏡検査医が不在となり、これを引き金に、外科、整形外科の常勤医が退職したという背景がある。竹腰創一市長は「市立病院の条件整備を引き続き進め、救急告示の復活を目指す」と話した。
採用されるのは、現在鳥取県立厚生病院医療局長の金藤英二医師(59)=安来市出身。市立病院では現在、島根大派遣の非常勤医師が週3回の外来診療を担当している。これに加え、金藤医師が週2~3回の診療と週2回の検査を担当する予定。
市によると、08年4月に内視鏡検査の可能な消化器内科常勤医が退職した。胃腸などのがんの診療ができなくなり、手術件数が減少。広島大医学部が常勤外科医の派遣をやめ、負担の重くなる整形外科医も引き揚げるという「負の連鎖」があった。【鈴木健太郎】
毎日新聞 2010年4月20日 地方版