東北新幹線八戸―新青森間を試験走行中の試験車両「イースト・アイ」が18日未明に突然停車した問題で、鉄道・運輸機構は19日、陸奥新報社の取材に対し「地上設備に異常はなかった。車両の電気系統に何らかの原因でトラブルが発生したとみられる」(東北新幹線建設局)と話し、鉄道設備に問題ないとの見方を改めて示した。20日に予定していた営業車両E2系(はやて)を使った走行試験は延期するが、今後の試験日程に大きな狂いはなく、12月開業にも影響はないとしている。
 ただ、電気系統のトラブルがなぜ発生したのかは一夜明けた19日も不明で、車両も現場にとどまったままの状態が続いた。同機構は「車両そのものに原因があるのか、あるいは、例えば異物がパンタグラフに引っ掛かってショートする外的要因によるものか、現段階では分からない」としている。
 JR東日本は20日、車両を盛岡市、または仙台市の車両基地に移動させて原因を詳しく調べる。今回のトラブルで変電所や送電に異常が見つからなかったため、はやてを現場へ乗り入れ、イースト・アイをけん引していく予定。
 停電、停車が発生したのは新青森駅の手前1キロ付近。同機構によると、イースト・アイは18日午前9時半から青森市油川の車両基地内で予定していた試験のため、同2時ごろに八戸駅を出発、時速30キロで回送中だった。
 今月13日に始まった走行試験は9月2日まで、計30日間を予定している。あらかじめ予備日を設けていたため、今回のトラブルの影響を受けないという。
 JR東日本によると、走行中のイースト・アイが停車するトラブルは2008年12月、上越新幹線・熊谷―本庄早稲田間で発生。6号車両のパンタグラフ付近で機器類が不具合を起こし、停電したという。

【写真説明】電気系統トラブルで青森市内に停車中のイースト・アイ(19日、青森市三内で)