「経営学の巨人ドラッカーから学ぶ「情報論」」

経営学の巨人ドラッカーから学ぶ「情報論」

2010年4月15日(木)

経営者が「役に立たない情報システム」を作らせる

そんな経営を“MBAごっこ”と呼ばせてもらってます

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 今の情報システムから経営者に必要な情報が出てこないのは当たり前です。なぜなら、必要な情報を得られるようにシステムを作っていないから。システムを作った後に、こういう情報が欲しいと言っても、出てくるわけがありません。そして、システムを作る際に、こういう情報が欲しいという要件を出せない経営者がほとんどです。

 冒頭の一文を書いたのは、ピーター・ドラッカーではなく、日経ビジネスオンラインの読者の方である。

 前回の記事「43年前に指摘された『コンピュータ病』」において「必要な情報つまり重要な情報は、現在の情報システムでは得られない」というドラッカーの指摘を紹介したところ、それを読んだ方々が様々な意見を書き込んで下さった。お礼を申し上げる。

経営者、現場、システム設計者の「難しい関係」

 今回は読者の意見を引用しつつ、「情報」や「情報システム」について考えてみる。ご意見の文言は適宜編集したのでご了解いただきたい。

 「経営学の巨人ドラッカーから学ぶ、というコラム名と内容が違うではないか」と思う方もおられようが、本欄の主旨文に「ドラッカー氏の著作群の中から、情報論にかかわる記述を紹介しつつ、『仕事で成果を上げるための情報』とは何か、読者の皆様と共に考えてみたい」と書いた通り、読者のご意見をできる限り引用していきたい。

 冒頭の読者の意見には続きがある。

 そうすると、システムの設計者は、システム構築後に要求されても必要な情報を出せるように、できるだけ細かい粒度で情報を入力するようにデータベースを設計しますが、現場の人間は、そんな細かい情報の入力は、面倒なので行いません。

 経営者、現場の幹部や社員、そしてシステムの設計者という、情報活用・IT利用に関わる人達の難しい関係を、この読者は分かりやすく書いている。

社長、現場、システム担当者が連携できず

 経営者は、情報システムについて明確な意思表示をしない(できない)。

 システム設計者は、経営者の意思を推測して設計する。あるいは、経営者や現場が半ば思いつきで希望した情報だけを出せるように設計し、「言われた通りに作りました」と言う。

 現場は、どうしても使わざるを得ない時だけ情報システムを使う。自分の仕事に関係ない詳細な情報を入力することはしない。

 その結果、経営者と現場の双方に不満が残り、システム設計者にその矛先が向くが、設計者は「経営者が悪い」「指示通りにしただけ」と言い返し、3者の不満が高まって終わる。

 冒頭の読者は「こういう情報が欲しいという要件を出せない経営者がほとんどです」と書いており、経営者を批判しているとまでは言えないが、「役に立たない情報システム」の発端が経営者にあるとみている。

 今回読者の方々が書き込んだ意見を見ると、経営者を批判する内容が多かった。いくつか紹介する。

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著者プロフィール

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP社 コンピュータ・ネットワーク局 編集委員
1985年に記者となって以来、情報システム関連のテーマを取材し続けている。システム開発プロジェクトについては、100件以上の実例を報道してきた。関わった媒体は「日経コンピュータ」「日経ウオッチャーIBM版」「日経ビズテック」「ITpro」「日経ビジネスEXPRESS」「経営とIT」など。「経営者とIT担当者の間にある溝」に最大の関心を寄せる。


このコラムについて

経営学の巨人ドラッカーから学ぶ「情報論」

「マネジメントを発明した男」と呼ばれたピーター・ドラッカー氏は、情報活用やIT(情報技術)利用についても示唆に富む論考を遺している。ドラッカー氏の著作群の中から、情報論にかかわる記述を紹介しつつ、「仕事で成果を上げるための情報」とは何か、読者の皆様と共に考えてみたい。

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