上海万博、盗作を事実上認めた…岡本真夜、ＰＲソング使用申請を快諾

　５月１日に開幕する上海万博のＰＲソングが、シンガー・ソングライター岡本真夜（３６）のヒット曲「そのままの君でいて」に酷似している盗作疑惑で、岡本の所属事務所は１９日、万博事務局から同曲をＰＲソングで使用したいとの申請を受け、快諾したことを明らかにした。万博事務局は事実上、「盗作」を認めた。岡本は「すてきなお話で光栄です」と喜びのコメントを発表。ＰＲソングは今後、岡本の曲として世界に流れることになる。

　岡本の所属事務所は１９日に、上海万博事務局から「そのままの君でいて」（９７年発売）をＰＲソングとして使用したい、との申請を受けたと説明。「使っていただくことに問題はない。喜んで協力させていただきます」と受諾したという。

　万博ＰＲソングは先月発表された。しかし、ネット上では曲全体が岡本の曲に酷似しているとの指摘が出て、１６日には日本でも大きく報じられた。１７日には万博事務局が「ＰＲソングの使用を暫定的に停止することを決定した」と公式サイトで明らかにし、著作権侵害に当たるかどうか調査中だった。

　万博事務局側は事実上「盗作」を認め、正式に楽曲使用を求めたものとみられる。万博事務局側は、共同通信の取材に対し、「分からない」としている。

　岡本の事務所によると、これまでも代理人を通じて数度、万博側とメールや電話でやり取りをしていたという。また、別の関係者によると、今月１４日に万博側から所属レコード会社に「岡本の楽曲カバーを許可してほしい。万博限定で楽曲の権利を譲ってほしい」と非公式に依頼が来たという。

　これまで使われたＰＲソングを継続使用するかや曲の使用開始時期など、詳細な部分については所属事務所は「繊細な問題なので答えられない。今後、中国側とやり取りして決めたい」とし、盗作を認めたかどうかは明らかにしなかった。

　岡本は、急転して万博ＰＲソングに“採用”されたことを受け、「世界中が注目するイベントである上海万博に協力させていただける機会を頂き、とてもすてきなお話で光栄です」と喜びのコメントを寄せた。「そのままの君でいて」はこの騒動で思わぬ注目を浴び、音楽配信サイト、アイチューンズ・ストアでは圏外から２８位にジャンプアップした。

　◆上海万博ＰＲソング　「２０１０等●来」（２０１０年が君を待っている）のタイトルで、万博開幕３０日前イベントに合わせ３月３０日に発表。俳優のジャッキー・チェンや米ＮＢＡ選手の姚明ら、中国の有名人がリレーしながら歌い上げるビデオが公開された。作曲は中国の著名な作曲家の繆森氏で「部屋を歩き回り、足でリズムを取りながらインスピレーションを得た」と語っていた。（●は、にんべんに尓）

　◆上海万博　中国・上海市都心部の南浦大橋から盧浦大橋までの黄浦江両岸地区で５月１日から１０月３１日まで開催。テーマは「より良い年、より良い生活」。マスコット「海宝」は「世界各地の宝」を意味する。０８年の北京五輪に続く国際イベントで、中国での開催は初めて。６か月間の来場者数は７０００万人を見込んでいる。