盗作疑惑が浮上して以降、沈黙を続けていた岡本がこの日夜、突然コメントを発表。その内容は意外なものだった。
所属事務所は、マスコミ各社に送付したファクスで、上海万博実行委員会から岡本の楽曲「そのままの−」をPRソングとして使用したいとの申請があったと報告。岡本も「世界中が注目するイベントである上海万博に協力させて頂ける機会を頂き、とても素敵なお話で光栄です」という喜びのコメントを寄せた。
所属事務所は、19日に万博実行委から電子メールで楽曲の使用申請があったと説明。歌詞など楽曲使用についての細かい打ち合わせは近日中に行うというが、万博実行委が盗作を認めたかについては、「現段階ではお話しできない。すべて明確になった時点でお話しさせていただきたい」と明言を避けた。
だが、今回の発表は万博実行委が事実上、盗作を認め、正式に岡本の曲の使用手続きを踏んだ結果であることは間違いないところだ。
中国ではネット上でPRソングの作曲家、繆森氏に対する非難や、盗作を見抜けなかった万博当局への批判が多数寄せられており、問題が長引けば万博のイメージ低下とともに、当局批判を助長しかねないとみて、異例の対応を取ったとみられる。
また、開幕まで時間がないうえ、疑惑の曲「2010等●(=にんべんに尓)来(2010年が君を待っている)」には香港の人気俳優、ジャッキー・チェン(56)や、中国のNBA選手、姚明=ヤオ・ミン=(29)ら多くのスターが参加していたことも早期解決を図る要因となったようだ。
盗作疑惑は、今月中旬にインターネット上で浮上。騒動が大きくなった同17日に公式HPで「PRソングの使用を暫定的に停止する」と発表していた。今回、万博実行委が岡本側に仁義を通したことで盗作疑惑は一件落着となりそうだ。