中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > ドラゴンズ > ドラニュース一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【ドラニュース】


落合監督動じず

2010年4月19日 紙面から

広島−中日 7回表1死一、二塁、遊ゴロ併殺に倒れ、がっくりと肩を落とす森野=マツダスタジアムで(榎戸直紀撮影)

写真

 悪夢の3連戦だった。18日の広島戦(マツダ)も中日は2−4で逆転負け。今季初の同一カード3連敗を昨年16勝8敗のお得意さんにやられた。広島相手に敵地での3連敗は、7年ぶり。貯金は1となり、3位に転落したが、落合博満監督(56)は「これでシャキッとするんじゃないか」と泰然自若。20日からのヤクルト戦(ナゴヤドーム)からの巻き返しに期待だ。

 まさか、まさか、まさかが3度も続いた。コイによもやの3連敗。竜の“病状”は深刻なのか。チーム状態はいったいどこまで悪いのか。

 「チーム状態というよりも…」

 試合後、落合監督は淡々と語り始めた。さすがに笑顔はない。そして強い眼光を前に向けた。

 「負けていい、ってことはないんだけど、こういう負け方を3つした方がいい。これでシャキッとするんじゃないか」

 歯がゆく、苦悩に満ちた3連敗。試合後はお通夜の列。だが、先を見通せば、この屈辱がきっと現場を「シャキッと」させる。球界に身を置いて32年の指揮官には、そんな展開が浮かぶのだ。

 散々だった。第1戦は看板救援陣に初めて土が付くサヨナラ。2戦目は6点差をひっくり返されてサヨナラ。この日は2点のリードを守れず、終盤に逆転された。

 らしくない失態をさらし続けた。逆にスキを突き、足を使い、守りを固めたのは広島だった。落合監督はこう加えた。

 「これが本来の広島の野球なんだな。これに対応しなきゃいけないということだ」

 野村新体制になり、いい意味で「いやらしい」広島野球が復活していた。いつもは竜の十八番だった。お株を奪われた。プロ集団にとって、現実以上の刺激剤はない。奪い返すしかない。

 名古屋での開幕カードで勝ち越した相手に、マツダで3連敗。セ・リーグ5球団と一通り対戦した後、落合監督はこんな話をしていた。

 「1回りじゃ分かんない。2回りしないと。自分のところでやって、相手の本拠地でやって。2回りしないと落ち着かない。今年は、2回りした、と思ったらすぐに交流戦が始まっちゃう日程になってんだけどな…」

 戦う場所で相手も変わる。忘れてはならない一つの要素。指揮官は事前に語っていた。要警戒。今回は嫌というほど見せつけられた。そして2週間後の週末、再びマツダで3連戦が待つ。

 スカッと勝ったり、ガツンとやれたり。ホームとビジターでやり合いながら、相手との組み方が見えてくる。そんな道半ばでの3連敗。それでも貯金はまだ「1」残っている。高かった授業料は取り返す。再び貯金をふやす。 (生駒泰大)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ