誰がキム・テヒの「目」を売ったのか(下)

有名人のレーシック体験記はウソ? ホント?

 「和友」は「この病院は複数の検索サイトで『キム・テヒ 眼科』というキーワードで検索できる。1日数千人が病院ホームページにアクセス、数十人が視力矯正手術を受けるなど、大変な人気を呼んだ」と説明する。

 ところが、実際には二人とも同病院で視力矯正手術を受けていない。二人は「同病院の院長は虚偽の内容で医療広告をしたため、責任を取るべき」との見解を示している。この広告を見て、だまされた人々が手術を受けたのは明白な詐欺行為に当たると指摘しているのだ。

 病院ホームページをはじめ、ブログや掲示板に二人の写真を勝手に掲載したことも、肖像権や著作権法に違反していると主張する。では、病院側は何の関係もないタレントを勝手に広告に利用したのだろうか。

 実は、病院側は「キム・テヒさんと、ペク・ジヨンの二人目の元夫に無料で視力矯正手術をした」と主張している。キム・テヒについては無名だったころ、知人の紹介で院長が現在の病院を開く前に働いていた病院で手術したというのだ。

 また、病院関係者は「ご主人に無料で視力矯正手術をすると、ペク・ジヨンさんは『ありがたい』と言って、ご主人と一緒にうちの病院に来て、写真を撮り、院長と食事をした」と話す。今回の件が明らかになったことから、病院はホームページに謝罪文を掲載、体験記のキム・テヒとペク・ジヨンの写真を削除した。肖像権・著作権の保護を受ける芸能人の写真を無断で使用したことについては、次の通り釈明している。

 「院長と一緒に撮った写真を使うよりは画質がはるかにいい写真を掲載するほうが、お二人に対する礼儀だと思った。ペク・ジヨンさんの場合は、もともと訪問記だったが、担当実務者が手違いで体験記に掲載した」

 病院側は、話し合いによる解決を試みたが、金額の違いが大きく、合意に至らなかったとしている。そして、「キム・テヒさんの所属事務所は2億ウォン(約1700万円)を要求している。無名のころに善意で手術し、手術代も受け取っていないのに、突然こんな態度で出られるとは、まるでほおを平手打ちされたような気持ち」と言っている。

 イ・ドクミン弁護士は「『有名人を勝手にマーケティングに利用するような慣行は正すべき』というのがキム・テヒさん、ペク・ジヨンさんの考え。屋台に芸能人の写真をはって商売するのと、こうした大病院が広告契約もせずに大々的にマーケティングをするのとを、同じ物差しで測ってはならない」と説明している。

郭守根(クァク・スグン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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