海外市場で善戦する韓国IT企業(下)
■優れた製品力と徹底したサービス
韓国の中小IT企業が海外で人気を集めている理由は、たゆまぬ技術開発を通じて、急変するIT市場にマッチした新製品を生み出しているからだ。エース・テクノロジーの場合、全社員の30%が研究員で、前年度の売り上げの30%以上を研究開発のための費用に投じている。同社のク・グァンヨン会長は、「国内初の無線アンテナ測定施設を備えて以降、外国企業から、この測定施設を使わせてほしいとの要請が相次いでいる」と話した。
海外にマッチした技術の場合、海外市場を積極的に開拓し、ユーザーのニーズを最大限反映している。優れた無線インターネットモデム技術を保有するシーモテックの場合、無線インターネットが発達した米国や日本市場を集中的に攻略した。同社のキム・テソン社長は、「日本企業に納品するため、先方の要求通り工場施設を変えた。日本企業の社員が常駐しているが、彼らの細かい要求に応じた結果、信頼を得て、製品を成功裏に納品することができた」と語った。
INISは、再生インクを使用できるプリンターを義務化した欧州をターゲットに成功した企業だ。同社のチョン・ジウォン代表は、「インクを直接生産し、品質を高め、デザインにも気を使ったところ、欧州ユーザーに認められた」と話した。
■「世界一」を狙う
徹底した現地化も欠かせない。ユギョン・テクノロジーは、7型モバイルパソコン「ビルリブ」のS5モデルを国家別に差別化し、英国、ドイツ、イタリアなど欧州各国で主に使用されているキーボードを採用した。米国では広大な面積に合わせ、どこでも簡単にインターネットにアクセスできる無線インターネット機能を導入した。昨年7月に発売した製品は1200台が6時間で完売し、14億ウォン(約1億2000万円)の売り上げを記録した。
また、これらの企業は現地での販売にとどまらず、持続的な製品開発と市場開拓を通じて、世界市場でのシェアを伸ばすために取り組んでいる。
ク会長は、「昨年310億ウォン(約26億円)に過ぎなかった基地局アンテナの売り上げを、2011年には1000億ウォン(約84億円)台に伸ばし、中国やインドなど低価格市場を攻略し、世界1、2位の座を争う独KATHREIN社と米アンドリュー社の牙城に挑戦したい」と意気込みを語った。
金真(キム・ジン)記者
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