ルノー・サムスンは現代自のライバルになるか

韓国自動車産業は前進するか、後退するのか

現代・起亜自にも大きな不安

中型セダンなどの市場では本格的な競争局面に

親会社ルノー日産の世界戦略によっては小型電気自動車の販売が前倒しされる可能性も

 ルノー・サムスンは韓国自動車産業で調整者としての役割を発揮することができるのだろうか。

 専門家は「可能性は十分」と予想する。

 ルノー・サムスンは韓国市場で最も競争が激しいとされる準中型と中型のセダン市場で、現代・起亜自を唯一けん制している。同社の準中型SM3は今年1-2月、1万2000台の販売台数を記録し、現代自のアバンテ(1万5000台)と接戦を繰り広げている。中型セダンのSM5も1万3000台の売れ行きで、現代自のソナタ(2万5000台)と競争している。工場での生産能力の限界さえ克服できれば、販売台数ではソナタとも十分に競争できる水準にあるといわれている。また、親会社・ルノー日産による世界戦略に伴い、今後も現代・起亜自を刺激する数々の車種が投入される予定だ。

 今のところ、現実味をもって検討されているのは、日産の新型マーチ(海外ではマイクラ)だ。マーチはルノー日産が共同で経営するインドのチェンナイ工場で、今年5月から生産が開始される。ルノー日産が共同で開発した新型のVプラットフォーム(車体の基本的なフレームやエンジン、変速機などのセット)を初めて搭載したモデルで、世界での生産と販売を念頭に置いて原価を大幅に引き下げ、各国のルノー日産工場でもすぐに生産が可能となるよう、工程も標準化されている。

 問題は生産能力だ。ルノー・サムスンにとって唯一の生産拠点である釜山工場は、年間の生産能力が25万台で、今年は能力の限界に達すると予想される。同社の関係者は、「今年後半の生産状況を見極めた上で、第2工場を建設するかどうかを決めたい」と述べた。

 ルノー・サムスンは、韓国政府が推進している電気自動車事業でも大きな役割を果たすとみられる。ルノー日産のカルロス・ゴーン会長が電気自動車の開発に積極的に取り組んでいるためだ。一方、現代・起亜自は電気自動車に消極的で、それ以外の電気自動車メーカーも非常に規模が小さい。ルノー・サムスンはSM3を基盤とした電気自動車を2011年からテスト生産し、翌12年には大量生産に乗り出す計画だ。これについて同社は、韓国の電気自動車用バッテリーを製造するLG化学やSBリモーティブとも共同開発を模索している。また、ルノー・サムスンは電気自動車の普及に向けた電力資源の効率化事業に関して、知識経済部と覚書も締結した。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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