【コラム】クリントン長官の感動(下)

 米国はそうしたユン下士の存在を決して忘れてはいなかった。追悼の意を込め、アフガニスタンに配備される米軍兵士全員が4時間の講習を義務付けられている簡易爆発物(IED)教育の施設を、「ユン・ジャンホ下士記念館」と名付けた。そして、ユン下士追悼碑をこの施設内部に建てた。同記念館で行われた追悼式には、バグラム基地の副指令官とIED関連教育を受けた米兵約200人が出席した。米軍楽隊が追悼曲を演奏し、儀仗(ぎじょう)体が弔銃を撃つなど、米軍側は多大な配慮を示した。3年前、ユン下士の遺体収容を指揮したトーマス・カペル主任元士(上級曹長)は、「彼は韓米同盟を受け継ぐ真の英雄」と表現している。

 韓米同盟を支える根底には、韓国戦争やベトナム戦争などで両国の兵士が共に流した血と、相手国兵士の犠牲をためらうことなく追悼しようという両国の配慮が大いに寄与している。韓米同盟は、こうした礎の基に、苦しいときでも助け合いながら成長してきた歴史がある。 

 韓国が哨戒艦「天安」の沈没事故により若き兵士46人を失うという安保上の危機に直面した際、米国は手を差し伸べてくれた。キャサリン・スティーブンス駐韓米国大使とウォルター・シャープ在韓米軍司令官(韓米連合司令部司令官を兼任)は、「天安」の引き揚げ作業を指揮する輸送艦「独島」を訪問し、最大限の支援を行う意向を明らかにした。ワシントンで会った米政府関係者らもそれぞれ慰労の言葉を口にし、米国ができることについて言及している。このように、両国が互いを深く思いやる姿勢さえあれば、韓米同盟はどんなに困難な状況にあっても乗り切ることができると信じている。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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