【社説】10年間に累積した軍の問題をチェックせよ(上)

 金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は16日に発表した談話で、「今回の事故は最初の報告が遅れ、一部の対応も不十分だった。そのため国民の不信と疑惑を招いてしまったことを申し訳なく思う。この問題については、監査院にも監査を要請する。近くその結果が出れば、わずかな疑惑も残らないようすべて公開し、それに伴った明確かつ断固たる対応を行っていきたい」などと述べた。

 哨戒艦「天安」沈没事故が発生した当初、軍は事故発生時刻を3度も訂正した。当時、国防長官は事故発生から52分後、合同参謀議長は49分後に最初の報告を受けていたことが分かった。国防部は「勤務規定に従って、直ちに報告を行うべき合同参謀本部の指揮統制班長が、報告を忘れていた」と説明している。しかしこの説明は、どう考えても納得できない。世の中には失念しても問題ないことと、そうでないことがある。韓国軍艦艇が真っ二つに折れて沈没するほどの大事故を報告する上で、その経路や段階を定めた規定をうっかり忘れることなどあり得るのだろうか。

 また、空軍の戦闘機部隊は事故発生から1時間18分過ぎてから現場に出動している。軍艦が原因不明の爆発で沈没するという非常事態に、しかも敵機が10分以内に到着できる地域で、軍内部での協力関係がこの程度では、3面を海に囲まれている大韓民国で、立体的な作戦など展開できない。北朝鮮の戦闘機が出動しなかったため、こちらも戦闘機を出さなかったという弁解がなされたが、これも説明にはなっていない。

 軍は先月31日と今月1日、天安沈没の様子が撮影された熱線観測装置(Thermal Observation Device=TOD)の映像を公開した際、「これ以外の資料はない」と説明していた。ところがそれからわずか1週間後、「自動録画映像を発見した」として新たな資料を公開した。さらに地質資源研究院から、事故当日にペンニョン島海域でマグニチュード1.5の地震波が感知された事実を知らされていながらも、1週間近くそれを公開しなかった。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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