「品質第一」を徹底する現代自・蔚山工場(下)

エクウス、7月から米へ輸出

 現代自は今年、国内工場の生産量を6%増の171万台と見込んでいる。これは1968年の会社設立以来最大の生産量だ。7月からはエクウスを米国に輸出する。

 工場では、「品質ECHO」キャンペーンが行われていた。ECHO は“Effective”“Creative”“'Human”“Organizational”の頭文字を取った略語だ。この略語は工場の至る所に掲げられていた。カン・ホドン蔚山工場長は「トヨタ問題を反面教師ととらえ、品質向上に努めたい。品質を失えばすべてを失うという覚悟で取り組んでいる」と話した。

「品質経営に労使はない」

 労働組合もこうした流れに同調している。イ・ギョンフン労組委員長は「品質経営に労使の区別はない。品質のよい名車の生産は雇用安定につながる」と語った。

 しかし危機の「火種」は依然として残っている。現在協力的な関係を維持している労使も、賃金支払い禁止条項の適用範囲をめぐり争っている。今年の賃金交渉も問題だ。昨年は賃金凍結の代わりに成果給を多く支払うことで解決したが、この方式は労組に不利益を与えていると労組は判断している。従って今年は、労組の賃金引き上げ要求が強まる可能性が高い。

 サプライヤー(納入業者)とのR&D(研究開発)と品質確保も重要だ。成均館大のチョ・ジュンモ教授は「談合的な労使関係を維持する現代自が非効率的な労使関係から発生する費用をサプライヤーに転嫁させた場合、サプライヤーの部品の品質が低下し、結局は現代自にはね返ることになる」と指摘した。

蔚山=アン・ジュンホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る