緊急車両に道譲らないドライバー、過料最大50万ウォン

消防基本法・道路交通法の改正案を提出

 緊急出動した消防車や救急車に道を譲らないドライバーに対し、最大50万ウォン(約4万2000円)の過料を科することができるようにする法案が提出された。

 与党ハンナラ党のイ・インギ議員は15日、「消防車・救急車の優先通行や、一般車が消防車・救急車に道を譲ることなどを主な内容とする、消防基本法や道路交通法の改正案を、国会を代表して発議した」と発表した。

 今回発議された消防基本法と道路交通法の改正案は、▲消防車や救急車の優先通行を義務化し、消防車・救急車に道を譲らない一般車の運転者に対しては、最高50万ウォンの過料(現在は20万ウォン=約1万7000円)の過料を科し▲消防職員は違反車両から直接証拠を採取し、警察に処罰を求めることができるようにする-という内容が盛り込まれている。

 こうした改正案が発議されたのは、現行の消防基本法や道路交通法では、消防車・救急車に道を譲らないドライバーを処罰するのが困難だったためだ。緊急出動中に道を譲らない車を止め、運転者を確認するということは不可能に近い。だが、今回発議された改正案が成立すれば、緊急出動中の消防車・救急車にカメラを取り付け、道を譲らない車のナンバープレートを撮影して証拠を採取し、処罰できることになる。イ議員は発議の理由について、「違反車両の所有者に対しても、最高50万ウォンの過料を科し、処罰の実効性を高めなければならない」と説明した。

 一方、これとは別に、警察庁は消防防災庁との協議を経て、▲緊急出動した消防車が通る道に違法駐停車している車に対し、消防職員にも取り締まりの権限を付与する根拠を与え▲消防車・救急車に道を譲らない車を撮影し、これを間接証拠として、処罰ができるようにする-という内容の道路交通法改正案を国会へ提出する方針だ。

 消防防災庁によると、昨年1年間に出動した救急車が、現場に到着するまでにかかった平均所要時間は8分18秒で、救急患者に対し十分な治療効果が期待できるとされる4分以内に到着したのは32.8%にすぎなかった。

 イ議員は「消防車や救急車は、現場に1秒でも早く到着してこそ、被害を最小限に抑えることができる。今回の改正案が成立すれば、緊急出動した消防車・救急車が現場に到着するまでの所要時間が短縮され、より多くの命を救ったり、財産を守れることが期待できる」と話した。

金成謨(キム・ソンモ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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