哨戒艦沈没:軍当局が「原因は魚雷」とにらむ理由(上)

「機雷は“偶然に次ぐ偶然”、確率は極めて低い」

「北朝鮮が磁気感知型の魚雷を使った可能性も」

 韓国軍当局は15日に公開された哨戒艦「天安」の切断面の破損状態などから、魚雷や機雷などが船体の下で爆発したとほぼ断定し、その中でも魚雷の可能性が高い、という暫定結論を下した。

 軍当局が、機雷よりも魚雷の方に「疑いの目」を向けているのは、船体中央部が真っ二つに破損するという「精密さ」がその理由だ。魚雷は船を狙って直接発射されるが、機雷は、あらかじめ仕掛けておき、通過する船を攻撃する。魚雷が「海のミサイル・大砲」なら、機雷は「海の地雷」に相当する。

 もちろん、機雷が天安の中央部真下で爆発し、船体を真っ二つに破壊することも、あり得ないことではない。しかし、そうした結果がもたらされるには、水中に仕掛けられた機雷が天安の真下に来て爆発するという、低い確率に懸けなければならない。その上、天安が沈没した海域はペンニョン島の漁船が頻繁に往来している場所でもあり、天安だけが犠牲になった理由を説明するのは困難だ。

 もちろん、機雷の中には、船のスクリューから出る音を探知して標的に向かう「音響感知型機雷」もある。しかしこれは、先端技術を必要とするもので、実戦配備しているのは米国など一部の先進国だけといわれている。また、仮に北朝鮮がこうした機雷を保有しているとしても、これまで天安は沈没海域を15回往来した程度で、頻繁に通過している場所ではない。何者かが天安を狙ったとすれば、天安の一般的な作戦水域に仕掛けておくのが常識的な選択だ。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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