中国人民銀、韓国国債を買い入れ

 中国人民銀行(中央銀行)と中国の国富ファンド、中国投資(CIC)が昨年8月以降、韓国国債を約3000億ウォン(約252億円)買い入れていたことが明らかになった。中国の国家機関が韓国国債を本格的に買い入れたのは初めてだ。

 金融監督院によると、昨年8月から今年3月の中国の投資家による韓国の債権売買状況は、2兆6330億ウォン(約2211億円)の買い越しで、買い越し規模は毎月3300億ウォン(約277億円)に達した。これは、同じ期間の外国人による債券買い越し額71兆9240億ウォン(約6兆390億円)の3.7%に相当する。昨年8月以前には、中国の投資家が韓国の債券に投資した実績はない。

 金融監督院が明らかにした「中国の投資家」の実体について、市場関係者は「人民銀とCICが香港、シンガポール経由で韓国国債を買っている。投資額全体の90%は人民銀で、10%はCICと一般金融機関によるものだ」と説明した。

 中国の投資家が買い入れた韓国国債の大半は中長期債だという。また、ほかの外国人投資家とは異なり、韓国国債を買い取るだけで、売却はしていないという。人民銀などは韓国国債を長期保有する方針とみられる。

 中国の国家機関が韓国国債を買い入れたのは、2兆4000億ドル(約223兆2200億円)に達する外貨準備高のポートフォリオを多様化するのが最大の狙いとみられる。中国はドル安進行に備え、昨年11月以降、米国債を500億ドル(約4兆6540億円)以上売却し、金などへの投資割合を高めた。韓国国債を買ったのもそうした一環と言える。

イ・セヌリ朝鮮経済i記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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