故・金日成主席の誕生日にビラまき

「天安の復讐をしよう」「NLLを死守しよう」と書かれた大型風船に取り付けて飛ばす

 民間団体「自由北韓運動連合」や「大韓民国両親連合」の会員など約150人は、北朝鮮の故・金日成(キム・イルソン)主席の誕生日に当たる15日、京畿道坡州市の臨津閣で「金正日(キム・ジョンイル)を告発します」と書かれたビラ10万枚を、10個の大型風船に取り付け、北朝鮮に向けて飛ばした。同団体はビラと一緒に1米ドル紙幣2000枚、70グラムの小型ラジオ200個も飛ばした。北朝鮮の政治犯収容所の惨状を扱ったミュージカルや、北朝鮮の人権に関する動画などが収められたDVD300枚も取り付けられた。

 この日の行事は、哨戒艦「天安」の沈没事故で殉職したり、行方不明になった将兵に対する黙とうで始まった。長さ10メートルの大型風船には「天安の復讐(ふくしゅう)をしよう」「NLL(北方限界線)を死守しよう」というスローガンが書かれていた。同団体は「『天安』沈没の元凶は事実上、金総書記だ」として、「独裁者・金正日は『天安』沈没に関与したことを認めよ」と叫んだ。行事に参加した金容甲(キム・ヨンガプ)元国会議員(74)も、「北朝鮮が西海(黄海)での交戦の敗北に対し報復するため、『天安』を沈没させたという話がある。原因が究明されれば、われわれも報復しなければならない」と話した。

 この日の行事は、今月10日に北朝鮮が「宣伝ビラを散布したら決定的な措置を必ず取る」と警告した後、初のビラ散布となった。自由北韓運動連合のパク・サンハク代表(42)は、「前日、統一部の職員が訪れ、『天安』の事故により南北関係が緊張化しているため、行事を自制するよう要請を受けたが、拒否した。2004年から続けてきた行事に対し、突然南北関係をうんぬんするのは理屈に合わない」と語った。同代表は、「北朝鮮が『天安』沈没や金剛山観光中断などの責任を韓国になすりつけようとしている」と主張した。

沈没した哨戒艦「天安」の船尾が引き揚げられた15日午前、自由北韓運動連合など対北朝鮮団体の会員らが、京畿道坡州市の臨津閣で北朝鮮の政治体制を批判する内容のビラと1米ドル紙幣、北朝鮮の人権関連ドキュメンタリーのDVDなどを大型風船に取り付け、飛ばしている。/写真=オ・ジョンチャン記者

臨津閣=崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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