強制わいせつ未遂容疑などで大阪府警に逮捕された男性(34)がアリバイがあると主張し、処分保留で釈放されていた問題で、府警は19日、男性の訴え通り誤認逮捕だったとして、起訴しないよう意見を付けて大阪地検に書類送検し、発表した。同地検は同日、男性を不起訴処分(嫌疑なし)とした。
府警によると、男性は昨年9月3日午後5時50分ごろ、東大阪市の会社員女性(28)宅に侵入してわいせつな行為をしようとした疑いが持たれ、今年3月15日、目撃情報などをもとに強制わいせつ未遂と住居侵入の両容疑で布施署に逮捕された。しかし、大阪地検は同23日に「犯人性が薄い」と判断して釈放した。
府警はその後の捜査で、男性が事件当日の午後4〜8時、大阪市北区の店にいたことを店側の記録などで確認。府警刑事総務課の南野伸一課長は19日、アリバイの確認などが不十分だったとして「今後、こうした事案の絶無に向けて指導を徹底するとともに、真犯人の検挙に全力を尽くす」などとコメントした。
男性の弁護人三上孝孜(たかし)弁護士によると、男性はこの日昼、自宅近くの路上で待っていた布施署副署長から「悪かった。名刺渡しとこか」などと声をかけられた。副署長はスーツ姿だったという。
男性は弁護士を通じて「立ち話でなく、きちんとした形で謝罪してほしかった。自分の場合はアリバイがあったから良かった。証拠が見つからなかったら、冤罪のまま処罰されたかもしれない。今後はこういう誤認逮捕がないようにしてほしい」とのコメントを出した。