うるま市の民家で米国製の対戦車りゅう弾が通報から5カ月放置されている問題を受け、沖縄不発弾等対策協議会を構成する沖縄総合事務局や自衛隊、県警などが、戦後製造された不発弾についても、沖縄戦当時の不発弾同様に国の負担で処理する法的制度の確立に向けた協議に入ったことが15日、分かった。近日中に関係機関で申し合わせる。仮に事故が発生した場合には不発弾対策で設置した基金から見舞金、支援金を交付するなど、戦後処理としての不発弾対策に準じた対応を取る。
うるま市の問題で自衛隊や県警、県などの関係機関の間で情報共有がスムーズにいかなかったことが指摘されていることを受け、自衛隊による対応が困難な不発弾が発見された場合でも、連絡を受けた機関が速やかに沖縄不発弾等対策協議会に報告することも申し合わせる。
国の責任による戦後処理を目的に設置された同協議会がこれまで処理の対応の対象としていたのは、沖縄戦当時の不発弾。北沢俊美防衛相は今回の問題を受け、自衛隊の処理対象に戦後製造分も含めるよう通達を見直す意向を示している。
自衛隊の通達に加え、協議会での申し合わせが合意されれば、処理までに土のうや防護壁を設置する安全確保や、処理にかかる費用を国が負担する。
県内での不発弾問題をめぐっては、2009年1月に糸満市の工事中に不発弾が爆発し被害者を出した事故以降、国が対策を拡充。公共、民間を問わず工事中に見つかった不発弾の処理費の全額国負担化や、効率的な処理を目的とした埋没情報のデータベース設置などを実施している。
10年度の沖縄振興予算では前年度比76%増の8億円を計上し、広域探査発掘加速化事業は前年度の約2倍、20万2000平方メートルに拡大した。