哨戒艦沈没:北の潜水艦、エンジン切って侵入か(下)
韓国軍当局によれば、北朝鮮の潜水艦は、黄海南道とペンニョン島の間の狭い海域ではなく、ペンニョン島西側をう回したと推定される。ペンニョン島と黄海南道の間は潮の流れが速い上、韓国の対潜水艦警戒態勢が強化されているためだ。北朝鮮の潜水艦がペンニョン島付近に侵入する際に、エンジンを切り、海流に乗る方法を使った可能性も指摘されている。軍事評論家のキム・ビョンギさんは「『天安』が攻撃された3月26日午後3-9時には、海流が北から南に流れ、午後9時40分以降は南から北に変わった。北朝鮮の潜水艦は海流に乗り南下し、水中で待ち伏せした後、『天安』を攻撃し、北朝鮮方向へ海流に乗って帰還した可能性がある」と指摘した。
ペンニョン島付近まで侵入した北朝鮮の潜水艦は、ペンニョン島沖1.8キロを北西に向かって航行中の「天安」の左舷に魚雷を撃ったとみられる。右舷側は水深が浅いため、潜水艦の航行は困難とみられるからだ。尹淵(ユン・ヨン)元海軍作戦司令官は「当時『天安』の右舷側は安全距離が確保できず、攻撃は困難だったはずだ」と述べた。軍民合同調査団の尹徳竜(ユン・ドクヨン)団長が今月16日、「『天安』の船尾破断面近くに左舷側から大きな力が加わり、船体の鉄板が内側に曲がり、破損していた」と語ったこととも一致する。
北朝鮮の潜水艦は、「天安」から1-2キロ離れた水深が深い場所から魚雷を発射したとみられる。「天安」を攻撃した手段としては、機雷よりは魚雷、軽魚雷よりは重魚雷の可能性が高いと指摘されている。「天安」の破損状態などからみて、弾頭重量が50-80キロにすぎない軽魚雷ではなく、同200キロ以上の重魚雷の可能性が高いとの判断によるものだ。
「天安」を攻撃した潜水艦は、ペンニョン島西側を通り、北朝鮮に帰還したと推定される。
「天安」が実際に北朝鮮による魚雷攻撃を受けたとすれば、なぜそれを事前に探知できなかったのかも疑問だ。国防部は「天安」のような対潜哨戒艦のソナー(音響探知装置)を使った場合、当時の状況とペンニョン島沖の水深30メートルの海洋環境を考えると、距離約2キロの潜水艦、半潜水艇、魚雷を探知できる確率は70%以上だという。しかし、予備役の海軍関係者は「現実的には50%に満たない」と指摘した。ソナー担当者がしっかり監視していても、魚雷の接近に気付かなかった可能性があることになる。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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