哨戒艦沈没:「韓国が北朝鮮関与説をでっち上げ」

北朝鮮、事故発生から22日目で初の反応

 北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、哨戒艦「天安」の沈没事故について、「(韓国当局は)外部爆発に間違いなく、爆発は魚雷によって発生し、その魚雷はわれわれ(北朝鮮)の潜水艇や半潜水艇によって発射された可能性が高いという“北朝鮮関与説”をでっち上げ、流布している」と報じた。北朝鮮の報道機関が「天安」の事故に言及したのは、事故発生から22日目で初めてとなる。

 朝鮮中央通信は同日、軍事論評員の文章を通じ、「(南側が)荒唐無稽(むけい)極まりない“北関与説”の程度を少しずつ強めながら、何らかの“懲罰”や“断固とした行動”、“国際社会を通じた新たな制裁”まで謀議している」と指摘、これを「最悪の統治危機から抜け出そうという魂胆」で「南北関係を最悪の状態にした責任から逃れようというばかげた試み」と主張した。

 論評員は「(沈没原因について)はっきりとした根拠を見つけられない状態だと公言しておきながら、意図的に“北関与説”を広めている逆賊のばかげた言動にいちいち反応する必要はない、というのがわれわれの立場だった」と述べ、22日間の沈黙の理由を明らかにした。

 韓国政府の当局者は、「“誤爆説”や“金属疲労説”などが飛び交っていた事故当初には、韓国国内での葛藤(かっとう)の兆しを見て、北朝鮮は切り抜ける穴があると考えていたが、少しずつ北朝鮮の仕業であることを裏付ける状況証拠が出てくると、“このまま沈黙していたら誤りを認めることになる”と判断したようだ」と語った。

 北朝鮮がメディアの論評員を利用したことについて、キム・ヨンヒョン東国大教授は、「韓国がまだ政府次元で公式に北朝鮮に言及していないためだ。今回、北朝鮮の合同参謀本部や海軍司令部のような公式機関が見解発表したならば、自ら罪を認める印象を与えていただろう」と語った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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