登山客が増加傾向にある富士山で、富士吉田市など山梨県側のふもと6市町村は安全対策や環境保全の費用に充てるため、登山客から任意で現金を集める協力金制度の導入を検討している。同市は「登山客に『気持ちをお願いできないか』という趣旨」と説明するが、観光関係者からは登山客の減少を心配する声も上がっている。
「協力金の原点は世界に誇る富士山を守ること」。2月に関係自治体を集め富士河口湖町で開いた会議後、富士吉田市の堀内茂市長は意気込みを語った。2011年度からの導入を目指す。
同市によると、山梨県側でトイレの維持管理や救護所の運営など富士山関係の事業費が年間約3500万円になり、県、6市町村、国、山小屋などで負担。ほかに人件費も約5千万円に上る。
夏がシーズンの富士山の登山客は08年には過去最多の43万人余りに増加。09年も37万人近くで、うちほぼ3分の2の約24万人が山梨県側からだった。
山梨県側のふもとの消防本部は07年度から09年度の夏山シーズンに少なくとも78件の救急出動をし、5人が死亡。登山客の増加に伴い、夜から入山し翌朝には下山する「0泊2日登山」など無理な登山も増え、シャツ1枚やスーツ姿も見られるという。
協力金が導入されれば、例えば医薬品の購入や今は無給の8合目救護所の医療従事者の人件費に充当。山梨県側の下山道には7合目にしかトイレがなく、混雑時には1時間以上待つこともあり、トイレ新設の経費も見込む。
実は、5合目につながる県道「富士スバルライン」で県道路公社は、建設費償還後の05年6月以降も普通車1台で2千円を徴収し、一部を沿道のトイレ整備や植林活動など環境保全に使っているが、市町村への配分はない。
山梨県内では、西部の南アルプスでマイカー規制を行う際、バスやタクシーの利用者から任意で片道100円を募ってトイレ設置などに充てている。県などでつくる協議会によると、利用者の99%以上が支払っており、強制的に集めなくても十分に負担してもらえると富士吉田市。
協力金導入について、5合目の売店関係者でつくる富士山5合目観光協会の小佐野紀之会長(69)は「環境のために使うのでやむを得ない」とする一方、「観光に与える悪影響が心配」と警戒する。堀内市長は「多くの関係者に説明し、協力金は必要だという共通認識を感じた」と意欲を示している。〔共同〕
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