集会で移設反対のプラカードを掲げる参加者たち=28日午後1時24分、鹿児島県・徳之島の天城町総合運動公園野球場、長沢幹城撮影
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の訓練移転候補地として取りざたされている鹿児島・徳之島で28日、基地移設に反対する大規模な集会があった。主催者側によると、集まったのは徳之島3町、奄美群島からも計約4200人。「基地には断固反対する」と気勢を上げた。
会場は天城町総合運動公園野球場。「島は宝 基地はイヤ」などのプラカードが林立した。反対の声があるにもかかわらず移設案を検討する政府への批判が続出。徳之島町の主婦磯川まりえさん(39)が「命を宝とする子宝・長寿の島に基地はいりません」と訴えると、大きな拍手が起きた。
同町の自営業男性(55)は「一方的に候補地を決めるやり方は許せない。民主党には期待していたが、こんなやり方は自民党よりひどい」と話した。
大会事務局を務めた「徳之島の自然と平和を守る会」の椛山幸栄会長(55)は「島民の9割は反対。今日の集会で、島が反対一色だということを政府にアピールできた」と話す。ただ一部には振興策を目当てに、受け入れに前向きな声もある。
徳之島は1月末に移設候補地として浮上し、島の3町長が移設反対を表明。3町議会も3月定例会で全会一致で反対決議を可決した。だがその後も候補地として取りざたされており、3町の町長や議会、島内外の60を超す団体が、改めて拒否の意思を示そうと開いた。鹿児島県内への移設は伊藤祐一郎知事も反対を表明している。