普天間基地内 墓前で伝統行事
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普天間基地内 墓前で伝統行事

4月18日 16時25分

移設問題に揺れる沖縄のアメリカ軍普天間基地で18日、基地の敷地の中に先祖の墓があるおよそ500人の住民が、年に一度の特例として基地内に入ることを許可され、先祖の霊を悼む伝統行事、「シーミー(清明祭)」を執り行いました。

沖縄ではこの時期、親族が墓の前に集まり、ごちそうを食べながら先祖の霊を慰め、家族の健康と繁栄を祈るシーミーと呼ばれる伝統行事が各地で行われています。アメリカ軍普天間基地は、シーミーに合わせて、基地の敷地の中に先祖の墓がある住民に年に一度、基地内に入ることを認めていて、18日、およそ500人が立ち入りを許可されました。普天間基地は、集落があった土地を接収して造られたため、地元の宜野湾市の4分の1を占める広大な敷地には、沖縄で多く見られる大きな墓が今も残されています。住民のうち、石川盛春さん(79)は、滑走路から300メートルの所に先祖の墓があるため、供え物の料理や花などを手に家族11人で基地に入りました。アメリカ軍は、基地内での撮影を許可しませんでしたが、フェンスの外側からは、石川さんなど多くの家族が先祖の墓を清めたり、墓の前で手を合わせたりする姿が見られました。石川さんは、「1年に1回しかお墓に行けないのは寂しい。一日も早く基地が返還されて、いつでも自由に行けるようになってほしい」と話していました。