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高い野菜 業者翻弄

赤字覚悟で安売り/小分けで販売

お買い得の野菜に手を伸ばす来店客(16日午後、静岡市清水区のジャスコ清水店で)

 長引く寒の戻りや日照不足などの影響で、県内でも野菜の価格高騰が続いている。消費低迷を懸念する小売り業者の中には、小分け商品を増やしたり、赤字覚悟で安売りに出たりする動きもある。一方、百貨店ではいまだにコートの売れ行きが好調を維持するなど、気まぐれな空模様に、売り場は翻弄(ほんろう)されている。

 県内に「ジャスコ」7店舗を展開する「イオン」は16〜18日までの3日間、「野菜大放出」と銘打った安売りを始めた。静岡市清水区の「ジャスコ清水店」に16日、キャベツ半玉158円、ぶなしめじ1パック78円などの目玉商品が並んだ。小寺博之店長(42)は「昨日までより、平均2割ほど安い」と、消費喚起を期待する。同市駿河区の主婦山崎綾子さん(32)は「安売りが始まると聞いて来た。まとめ買いしたい」と話した。県内4店舗の「イトーヨーカドー」も17、18両日、一部の野菜を2〜6割引きにするという。

 静岡市中央卸売市場などで20年以上競りに参加する「県印静岡県青果」の望月基由さん(46)は、3月下旬頃から価格高騰を肌で感じていたという。関東地方からの入荷量が大きく減少し、全体的に高値で推移している。キャベツは例年比2〜5割高いほか白菜が3〜5割、ネギが2割弱、キュウリが1〜2割ほど高値で取引され、市場全体の取引量も1〜2割ほど少ないという。望月さんは「台風の時などに比べ今回は値上げ幅が大きく、期間も長い。高値は4月いっぱい続くだろう」と見ている。

 「しずてつストア」の青果担当者は「小分け販売を増やしたり、レタスの代わりに値上げ幅の小さいサンチェを店頭で勧めたりしている」。静岡市葵区の八百屋「伊勢藤商店」では、じっくり値踏みする客が増えているといい、広瀬忠行社長(67)は「野菜を切らすわけにもいかず、高くても仕入れざるを得ない。他店に客が流れないよう仕入れ値で売る野菜もある」と苦しい胸の内を明かした。

コートは好調 寒さのお陰で、松坂屋静岡店(静岡市葵区)は例年、3月下旬に店頭から姿を消す薄手のコートなどが今でも売れているという。春物の一部値下げを検討しているこの時期としては異例で、販売促進担当の関貫成二さんは、「薄手のコートは例年より1〜2割ほど売れているのではないか」と話している。

2010年4月17日  読売新聞)
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