40年ぶりの実写映画化が決まり、先月、丈役に山下、丈をボクサーに育てる丹下段平役に香川照之(44)という配役が発表されて以降、注目を集めていた力石役。
原作で描かれた力石は丈に勝るとも劣らぬ魅力をたたえた男だ。ウエルター級(66・68キロ以下)のボクサーだった力石は、少年院で出会った丈をライバル視。出所後、バンタム級(53・52キロ以下)の丈と戦いたいがため、無理な減量を行い、試合後に死んでしまう。
1970年3月、連載していた「週刊少年マガジン」誌上で力石が死んだ際、本物の葬儀が行われたほど、ファンに愛された。
同作の伊與田英徳プロデューサー(42)は「力石の魅力であるカリスマ性を持つ俳優は、伊勢谷さんしかいない」と起用理由を説明。伊勢谷は「力石は多くの人の心の中に強く生きているキャラクター。僕も彼の気迫に負けない、それ以上の執念をもってやり遂げたい」と快諾した。
学生時代に水泳のインストラクター経験があり運動神経は抜群。だが、よりボクサーに近い肉体を手に入れるため、1月16日から現WBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志(30)の元チーフトレーナー、梅津正彦氏(41)のもとで、過酷な肉体改造を開始した。
1日平均2時間、筋トレ、腹筋とスパーリングを、実際にジムに通うボクサーと同様にこなし、1食約250キロカロリーのスペシャル弁当で肉体管理。
1メートル80、65・5キロというもともとが均整のとれたボディーを、ボクサーらしい体にするため、筋肉をつけながら1度61キロまで減量し、再び筋肉を増やしながら6キロ増量。最終的には、50キロ台にし、体脂肪率も練習開始時の15%から1ケタまで落とす計画だ。
梅津氏は「腹の強さ、硬さは、僕が見てきた日本チャンピオンよりも強くなった」と太鼓判を押した。鋼の肉体を手に入れた伊勢谷が、山下の前に、宿命のライバルとして立ちはだかる。