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【正論】子育ての楽しさ湧く制度作れ 政治評論家・屋山太郎 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
クレシュに通わせる親の負担を軽減したり、保育ママに預ける際の補助などを司(つかさど)る「全国家族手当金庫(CAF)」の予算は2005年で665億ユーロ(約8兆6000億円)だという。日本の人口規模なら約19兆円ということになる。フランスは1947年から少子化対策を始めたが、諸制度が完備したのは90年代に出生率がドンと落ちた以降のことである。
フランスの轍(てつ)を思いながら制度設計をすれば、さらに効率化が図れるかもしれない。私は40年前に幼稚園と保育園の一元化の記事を書いた記憶がある。しかし、幼保一元化は役所のナワ張り争いでいまだに実現せず、認可保育所待ちが85万人もいるという。
首相は構造改革を“官僚バッシング”ととらえ、官僚擁護の旗を立てているが、その認識では日本は立ち直らない。
官僚機構の無駄は膨大なものである。首相は11年度から増税する意志を示しているが、統治機構、行政機構の一新なくして、増税などは許されないと知るべきだ。(ややま たろう)