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【正論】権威は皇室に連綿として在る 立命館大学教授、大阪大学名誉教授・加地伸行 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:皇室
現代日本人はどの首相に対しても敬意を払わない。首相に権威を認めていないからである。だから、首相がいくら交替しても、権威は不動であるので国家として不安定とならない。これが我国の底力となっている。
我国はどのような危機に際しても、権威の不動によって政治が安定しており、必ず立ち直ることができたのである。それはこれからもそうであろうし、またそうでなくてはならない。
その意味で天皇は政治における中核として内在している。単なる文化的権威や祭祀(さいし)者に終わらない。それが証拠に、ほとんどの日本人は、権威ある天皇を元首として意識しているではないか。これは強制や法制によるものではない。皇室に対する絶えざる自然な敬意に基づくものなのである。
天皇、皇后両陛下のご成婚50年を機に、そのことをしみじみ噛(か)みしめている。(かじ のぶゆき)