日弁連会長選:再投票で宇都宮氏当選

2010年3月10日 18時17分 更新:3月10日 22時39分

日弁連会長選で当選確実な情勢となり、支援者らと万歳する宇都宮健児弁護士=東京都港区で2010年3月10日午後5時57分、佐々木順一撮影
日弁連会長選で当選確実な情勢となり、支援者らと万歳する宇都宮健児弁護士=東京都港区で2010年3月10日午後5時57分、佐々木順一撮影

 日本弁護士連合会の会長選は10日、再投票が行われ、多重債務問題への取り組みで知られる宇都宮健児氏(63)=東京弁護士会所属=が、現執行部の路線を継承する前日弁連副会長の山本剛嗣(たけじ)氏(66)=同=を破り、新会長に内定した。任期は4月から2年間。従来は大規模弁護士会の主流派が推す候補が当選してきたが、知名度の高い宇都宮氏が慣例を破った。

 即日開票の仮集計で、宇都宮氏は9720票を獲得し、8284票の山本氏を1436票上回った。当選には全体の最多得票者が全国52弁護士会の3分の1を超える18会で最多票を得る必要があるが、宇都宮氏は46会を制した。約2万8700人の全弁護士が有権者で、投票率は63.19%。2月の投票では山本氏が宇都宮氏を976票上回り、宇都宮氏が42会を制していた。

 全弁護士の6割が東京の3弁護士会と大阪弁護士会に所属し、従来は4会の主流派が擁立する候補が当選。今回は山本氏が推されたが、再投票では大阪でも宇都宮氏に敗れた。

 宇都宮氏は「司法試験合格者を年間1500人に削減する」と主張。具体的な人数を示さなかった山本氏と比べ明確な方針を示し、地方の支持を幅広く得た。

 宇都宮氏は愛媛県出身で71年弁護士登録。消費者問題の第一人者として知られ、日弁連多重債務対策本部長代行やオウム真理教犯罪被害者支援機構理事長を務める。【銭場裕司】

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