2010年3月1日 11時1分 更新:3月1日 14時7分
【バンクーバー栗林創造】第21回バンクーバー冬季五輪は2月28日午後(日本時間1日午前)、当地中心部の屋内施設、BCプレースで閉会式を行い、12日から17日間、7競技・過去最多の86種目にわたって熱戦が繰り広げられた「雪と氷の祭典」に幕を下ろした。「先住民参加」「環境への配慮」「持続可能な発展」というテーマを掲げた大会には、史上最多の82カ国・地域が参加。閉会式では、日本選手団の旗手をフィギュアスケート女子で銀メダルの浅田真央(中京大)が務め、次回14年大会を開催するロシア・ソチに五輪旗が引き継がれた。
今大会、日本の入賞総数は26で、前回の06年トリノ五輪の21を上回った。メダルは浅田の銀メダルなど計5個(銀3、銅2)を獲得。金メダルはなかったものの、フィギュアスケート女子の荒川静香の金1個だった前回からは躍進した。
開催国カナダは、大会最終日のアイスホッケー男子で優勝するなど、金メダル獲得数(14個)で参加国中トップとなった。
今大会は波乱とともに幕を開けた。開会式当日の12日朝、ソリ競技の会場で、リュージュ男子1人乗りに出場予定だったグルジア代表選手が、公式練習中にコースから外れて鉄柱に激突、死亡する事故が起こった。開会式では聖火台にトラブルが発生し、大会期間中は選手や観客を輸送するバスの故障が相次ぐなど運営面の不手際も目立った。また、フリースタイルスキーなどの会場となったサイプレスマウンテンが雪不足や激しい風雨に見舞われ、練習場所などがたびたび変更されるなど、天候の影響を予想以上に受けた大会でもあった。
一方、警備面では米軍などに協力を要請し、テロの脅威に備えた強固な態勢を敷いたこともあり、事件や混乱は見られなかった。近年の五輪で常に大きな問題となっているドーピング(禁止薬物使用)に関しても、徹底した事前検査を行い、期間中は風邪薬の誤用など軽微な事例にとどまった。