津波:警報、注意報すべて解除 養殖棚などに被害

2010年3月1日 10時27分 更新:3月1日 20時45分

 南米チリで発生した津波で、気象庁は1日午前10時15分、「これ以上津波が高くなる可能性は小さくなったと見られる」として、太平洋沿岸などに出していた津波注意報を解除し、出されていた警報などが約1日ぶりにすべて解除された。交通網も通常に戻り、避難していた住民らも朝までにほとんどが帰宅したが、各地で養殖いかだが流されるなどの被害が報告された。

 気象庁の関田康雄・地震津波監視課長は1日午前に記者会見し、「注意報が解除されたが、丸一日くらいは海面変動が続くので、海での作業は十分注意してほしい」と引き続き注意を呼び掛けた。また、警報・注意報が長期間継続されたことについて「予測が結果的に過大だった。不便をかけおわび申し上げたい」と述べた。

 各自治体や海上保安庁によると、岩手県の沿岸では、各地で今月中旬から収穫予定だったコンブなどの養殖棚が流されたという被害が報告された。宮古市の宮古漁協によると、コンブ218台、ワカメ60台の相当数の養殖棚が流失したという。また、大船渡市漁協によると同市の湾口地でも、カキやホタテの養殖棚が流されたという。

 宮城県内でも気仙沼港など各地でカキやホタテなどの養殖いかだが流れ出し、船舶航路の障害となっているほか、石巻港では原木20本を束ねた木材(長さ約30メートル、直径約10メートル)が流出した。

 鉄道は1日始発から全路線で運行再開となり、東名高速や国道の通行止めも解除され、交通機関はほぼ通常通りに戻った。

 一方、花咲港(北海道根室市)など既に冠水が確認された6港のほかに、えりも港(北海道えりも町)、釧路港(北海道釧路市)、石巻港(宮城県石巻市)、須崎港(高知県須崎市)の4港でも浸水や流木などの影響が出ていることが新たに確認された。【福永方人、松谷譲二、石原聖】

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