津波:最大1.2メートル観測 66万世帯に避難要請

2010年2月28日 21時17分 更新:3月1日 1時28分

各地で観測された津波(最大、28日)※気象庁発表、カッコ内は観測された時間
各地で観測された津波(最大、28日)※気象庁発表、カッコ内は観測された時間

 南米チリの大地震で発生した津波は28日午後、北海道から沖縄の各地に相次いで到達した。気象庁によると、1日午前1時現在で最大の津波は、岩手県・久慈港と高知県・須崎港の1.2メートル。気象庁は28日午前、高さ1~3メートル程度の津波が予想されるとして、青森県から宮城県の三陸沿岸に大津波警報、その他の太平洋沿岸に津波警報を発表した。毎日新聞の集計によると、20都道県の自治体が約66万5600世帯に避難勧告・指示を発令。少なくとも約3万8500人が高台の公共施設などに避難した。警察庁によると、けが人などはなかった。

 大津波警報は93年7月の北海道南西沖地震以来17年ぶり4回目。気象庁は28日午後7時1分に津波警報に切り替えた。1日午前1時7分、高知県を除き全国で津波警報を解除、注意報に切り替えた。

 気象庁によると、午後0時43分に東京都・南鳥島で最初の津波(10センチ)を観測。午後9時20分現在、各地で観測された津波は▽1.2メートル=岩手・久慈港、高知・須崎港▽1.1メートル=仙台港▽1メートル=北海道根室市▽90センチ=青森県八戸市、和歌山県串本町▽80センチ=北海道浜中町、宮城県石巻市、福島県相馬市、いわき市、茨城県神栖市・鹿島港、千葉県館山市--など。

 国土交通省によると、根室港(北海道根室市)、久慈港(岩手県久慈市)でふ頭が海水で冠水。海上保安庁は、このほか、花咲港(根室市)、宮城県の気仙沼港(気仙沼市)と仙台港(仙台市)、岩手県の宮古港(宮古市)の4港の冠水を航空機で視認、国交省が確認している。

 毎日新聞の全国集計では、太平洋側沿岸部の18道県の139市町村が、計約48万1500世帯に避難勧告を出した。北海道、青森、福島、東京、和歌山など9都道県の54市町村では、勧告よりも危険が切迫した場合に行う避難指示を出した。対象世帯は▽宮城6万8906▽岩手3万1391▽三重2万8950▽沖縄2万2715--などで計約18万4100世帯に上った。

 各自治体が確認した避難者数(知人宅などへの避難は含まない)は約3万8500人。7道県で1000人を超え、多い順に▽宮城1万954人▽岩手7000人▽北海道6991人▽三重3367人▽青森3014人▽静岡2237人▽高知1177人。

 国交省などによると28日夕現在、鉄道はJRが44路線、私鉄などが11業者13路線で運休。JRは八戸、気仙沼、鶴見線などが午前から、鳴門、日南線も午後から全線運休した。私鉄は江ノ島電鉄や近鉄志摩線が全線で運休。道路は東名高速富士インターチェンジ(IC)-清水IC間の上下線、東京湾アクアライン上下線など計6路線と、国道10路線85区間と都道府県道120路線が一時通行止めに。バスは22業者115路線、フェリーは少なくとも52業者が運休した。【福永方人、松谷譲二、石原聖】

文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド