寛永通宝:地域通貨で使用へ 香川・観音寺市

2010年2月22日 11時17分 更新:2月22日 14時31分

寛永通宝が使用可能な店に掲げられる看板=松田学撮影
寛永通宝が使用可能な店に掲げられる看板=松田学撮影
観音寺市のシンボルの銭形砂絵=松田学撮影
観音寺市のシンボルの銭形砂絵=松田学撮影

 江戸時代の通貨・寛永通宝の巨大砂絵があり、「銭形(ぜにがた)」の町として知られる香川県観音寺(かんおんじ)市で、4月から寛永通宝を地域通貨として使えるようになる。同市の町おこしグループ「ドピカーン観音寺実行委」が考えた。白川晴司市長は「支払いの度に、時代劇の雰囲気が味わえそう。観光の魅力が高まる」と期待を込める。

 同市には、砂を盛り上げて「寛永通宝」をかたどった巨大な銭形砂絵(東西122メートル、南北90メートル)がある。江戸初期に丸亀藩主が巡視した際、住民らが歓迎のために造り上げたとされ、観光名所になっている。実行委によると、寛永通宝は1636年~1860年代後半に作られた銅・鉄製の硬貨で、法的には1953年まで通用したという。

 現在の価値はその文様や状態によってさまざまで、国内外の貨幣を展示している同市の「世界のコイン館」では1枚100円で売られている。実行委の藤田圭造さん(53)は「300億~400億枚作られ、地方の古い民家などを中心に相当数眠っているという説も。1000枚くらいあると相談されたこともある。流通させて地域の観光や商業を活性化させたい」と話す。

 地域通貨として使うことに法的問題はないといい、実行委は市などの協力を得て4月4日から市内の商店などで1枚30円で使えるように、使用可能な店を募っている。協力商店は客から受け取った寛永通宝を実行委に持ち込めば、1枚30円で換金できるという。

 日本貨幣協会の野崎茂雄理事(67)によると、寛永通宝は作られた時期などによって、500~600種類に分類され、大阪・難波で享保年代に作られたものなどは希少性があり1枚100万円にもなる。しかし、多くは買い取り価格が1枚5~10円程度、売値も50~100円ぐらいという。野崎理事は「幕末ごろの寛永通宝は今のお金で20円前後の価値と言われ、30円は妥当な額ではないか」と話している。【松田学】

文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド