2010年2月19日 10時54分 更新:2月19日 11時13分
【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は18日、訪米中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世とホワイトハウスで初めて会談した。ギブス大統領報道官によると、大統領は会談で、中国におけるチベットの宗教や文化、人権の擁護を「強く支持する」と述べた。会談は中国が強く反発する中で行われた。オバマ大統領は「チベットは中国の一部」との認識を示すことで中国に配慮する一方、「人権擁護」を強調して、米国内の人権派の批判をかわす狙いがあったとみられる。
大統領は非暴力と中国政府との対話を追求するダライ・ラマの姿勢を称賛。先月再開した中国との非公式協議を歓迎し、継続を促した。またダライ・ラマとは「建設的、協調的な米中関係の重要性で合意した」という。
ダライ・ラマは会談後、記者団に対し、「子供のころから民主主義の擁護者としての米国を敬っていた」と強調。一方で中国のメディア検閲などを批判し、「(中国が)超大国を目指すのであれば、開かれた社会であるべきだ」と語った。
会談は大統領が私的会合に使う「地図の間」で行われ、「政治色」が薄められた。会談の模様は報道陣に公開されず、ホワイトハウスが公式写真を1枚だけ公開した。