民主党は15日、鳩山由紀夫首相が示した参院選マニフェスト(政権公約)の「たたき台」を公表した。昨夏の衆院選マニフェストを踏襲しつつ、首相肝いりの「東アジア共同体」構想の具体策やNPOを支援する「新しい公共」を新たに盛り込んだ。だが、消費税増税などマニフェスト実現の財源確保策については、政府・民主党内で意見が割れていることから、具体的な言及はない。看板施策の中身と合わせ、踏み込み不足が目立つ内容だ。
政府と民主党で作るマニフェスト企画委員会が15日、首相から9日に示された「マニフェストの策定に当たっての基本概念の整理」を、今後の議論の「たたき台」とすることを決めた。これをもとに5月末に最終案を固める。
財源を確保するために国民に負担を強いるという「痛み」に触れない内容だ。税収不足で来年度予算の編成が危ぶまれる中、財源確保については、中長期的ビジョンとして「財政規律確保」、具体策でも「財政健全化へのロードマップ」と「抜本的税制改革」をうたっているのみだ。
看板施策の内容も具体性を欠くのが目立つ。財政難から支給額が注目される「子ども手当」については、満額支給するか否かの言及は避け、「充実」とするにとどめた。
「政治とカネ」の問題でも、企業・団体献金の禁止はうたったものの、具体的な実施期限などには触れていない。
衆院選マニフェストに追加する政策として、NPOへの寄付税制を2011年に拡充することや、東アジア共同体構想実現に向けた日韓経済連携協定(EPA)の締結も盛り込んだ。環境税の具体化なども加えた。