今回も、名前を紹介して焼香するのは、夏の参院選に立候補する2人の民主党候補と来年改選を迎える達増氏の3人だ。法要の案内は、中選挙区時代の支持者にも届いており、決起集会の様相だ。
佐重喜氏の代から小沢父子を支持してきた伊藤久雄後援会連合会長は、小沢氏の決意をこう見ている。
「参院選が政権交代を完成させる最後の戦い。法要は、両親への恩返しができる最後のタイミングだ」
■「なぜこの時期に」見えぬ本心
小沢氏の並々ならぬ意欲に長年支援してきた地元後援会長の一人は「なぜ、この時期にやるのか、よく分からない。本人がしゃべらないからねえ」といぶかる。
小沢氏の真意は別のところにあるとの見方もある。
法要に出席する予定の達増氏は最近、「幹事長は新たな誓いを立てるかもしれませんね」と周囲に漏らした。
別の側近は「小沢氏の心境に変化があった」という。法要の開催も「別に今年やらなくたっていいんだ。政治人生が残り少ない中での決意の表れだ」。そして「誓い」についてこう解説する。
「鳩山内閣のあまりのだらしなさに、最後は自分がやらなければならないという気持ちになっているのではないか。自分が9月の民主党代表選に打って出て、総理をめざすと言い出すかもしれない」
小沢氏が最近、党代表選に向けて党員・サポーター集めを加速するよう系列議員に指示を出したことも、こうした見方に拍車をかけている。
小沢氏の資金管理団体をめぐる土地取引事件で、小沢氏が不起訴処分となって2カ月余り。「政治とカネ」の問題で小沢氏への風当たりは強いままだ。周辺は「地元の有権者も事件を心配していた。それもやや落ち着いてきたので、あいさつをするのだろう」と話す。(蔵前勝久、磯貝秀俊)