人権意識の高まりの中で、全ての方の自己選択・自己決定が尊重されるようになりました。この流れの中で、福祉サービスの利用は「措置から契約へ」と移行されました。介護保険制度・支援費制度によって、高齢者・障害者は、その選択に基づいて介護・福祉サービス事業者と契約し、サービスを利用できるようになりました。 しかし、痴呆症の方、知的障害のある方、精神障害のある方など判断能力の不十分な方は、事業者やサービスをご自身で決定することは困難です。 また、判断能力の不十分な方が消費者被害を受けるケースもあとを絶ちません。そして、核家族化の進展によって、高齢者・障害者だけの世帯も増え、日常生活に不安のある方も多数おられます。 このような状況の中で、判断能力の不十分な方や日常生活に不安のある方を支援し、権利を擁護する必要性が高まりました。このために、成年後見制度・地域福祉権利擁護事業が用意されました。しかし、今だ、その普及・利用は十分とはいえない現状です。 この冊子によって、成年後見制度・地域福祉権利擁護事業が正しく理解され、適切にご利用されて、少しでも多くの皆様が安心して社会生活をおくることが出来るようになればと考えています。
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