母国に子どもを残す外国人にも子ども手当が支給されることへの批判に、長妻昭厚生労働相がピリピリしている。参院選を控え、目玉政策に対する予想外の世論の反応に焦りを深めているようだ。
「100人を養子縁組した外国人への支給は年間1560万円」。2日に民放番組がそう紹介して以降、同省には「バラマキだ」との苦情が殺到し、ネット上には真偽取り交ぜた情報があふれ始めた。長妻氏は急きょ職員に命じ、「50人と縁組しても支給されない」との説明を省のホームページに公開させるなど火消しに躍起だ。
それでも今度は、ネット上に「49人ならOK!」との書き込みが現れる始末。「50人もの子どもの面倒を見るのは無理」との常識論で「50人」を否定しただけで、人数に明快な基準はないためだ。
11年度からの満額支給を巡っては、「全額現金」を求める長妻氏に一部閣僚が異を唱えている。波乱は続く気配で、長妻氏の気も当分休まりそうにない。【鈴木直】
毎日新聞 2010年4月14日 19時22分