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前立腺がんと闘いながら、マラソンとヨットで地球を一周する「アースマラソン」に挑戦中のタレント・間寛平(60)が、マラソンを一時中断して放射線治療に専念することが15日、アースマラソン製作委員会から発表された。病状の悪化は否定し、6月下旬にも再スタートする方針だが、約2か月の“戦線離脱”からの復帰は困難を極めそう。2008年12月に出発してから約3万2500キロ地点で、最大の危機が訪れた。
がん治療とマラソンの両立には、やはり無理があったのか。寛平はスタート484日目の14日、イランから中央アジア南西部のトルクメニスタンに入国。1月4日にトルコで行った生体検査でがん細胞が発見されてからも、ホルモン療法の治療を受けながら激走を続けてきたが「ここでいったんアースマラソンを中断して、2か月間放射線治療に、アメリカに行くことに決めました」と、苦渋の決断を明かした。
アースマラソン製作委員会によると、医師団の中で今後の治療方法について意見が分かれたという。寛平本人も協議に加え、検討を重ねた結果、一時中断を決定。トルクメニスタンには適切な治療を望める施設がないことから、今後は日本時間の16日未明に米サンフランシスコに渡り、「カリフォルニア大学サンフランシスコ校がんセンター」で日本人医師の篠原克人教授の下、20日から約2か月間、前立腺がんの治療に専念する。
寛平は「急に悪くなったわけではありませんから、心配しないでください。アースマラソンを完走するために決めました。そして僕自身のためにも決めました」と、病状悪化が中断の理由ではないことを強調した。
2か月後の6月下旬に再スタートする方針だが、復帰への道のりは険しそうだ。強じんな肉体を誇る寛平とはいえ、2か月間も治療に専念することで体力低下は避けられそうにない。60歳という年齢もあり、復帰後これまで通りの走りができる保証もない。そのうえゴールの日本まで、まだ約4000キロも残す。2か月以上に及ぶがんとの過酷な闘いを考えると、その距離はあまりにも長い。
「必ずこのトルクメニスタンには帰ってきます! そして日本にはゴールしますので、またよろしくお願いします。行ってきます!」と気丈に宣言した寛平。鉄人ランナーは、この試練を乗り越えられるのか。
◆間寛平(はざま・かんぺい)本名・間重美。1949年7月20日、高知県宿毛市生まれ。60歳。70年に吉本興業入り。74年吉本新喜劇座長に就任。「かい~の」「アヘアヘ」などのギャグで人気に。92年、日テレ系「24時間テレビ」で200キロチャリティーマラソンに挑戦も途中リタイア。翌年、再チャレンジし完走。これまで多くの長距離レースに参加している。
◆アースマラソン 間寛平がランとヨットで世界を一周する地球規模のマラソン。ゴールまでの総移動距離は陸上約2万キロ、海上約1万6000キロにわたる。
◆前立腺がん 男性の膀胱(ぼうこう)の下にあり、尿道を取り囲む前立腺にできるがん。尿が出にくくなるのが初期症状で、血尿が出る場合も。超音波、CT検査、MRI(磁気共鳴画像)検査のほか、血液中のPSA(前立腺特異抗原)値、触診で診断。治療法に手術、薬物療法、放射線治療がある。
(2010年4月16日11時06分 スポーツ報知)