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辺野古浅瀬案を米側に提案へ 普天間移設で、政府が苦肉の策

2010.4.17 01:30

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、政府が米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市辺野古)の南方沖の浅瀬に滑走路を建設する「浅瀬案」を検討、米側に提案する方向であることが16日、分かった。政府が検討してきたシュワブ陸上案と鹿児島県・徳之島を組み合わせる移設案は、米政府や地元自治体が難色。米側の理解を得られそうな浅瀬案での事態打開を模索するが、「公約違反」である上に社民党の反発は必至で、与党内調整は難航しそうだ。

 浅瀬案は、辺野古沖の浅瀬を埋め立てて1500メートル規模の滑走路を建設する案だ。かつて米側の主張をもとに日米両政府で検討したが、断念した。今でも米側が容認する可能性が高く、現行案などに比べ工費が安価だとされる。ヘリコプターが住宅地の上空を飛ばず、騒音問題や危険性を回避できるメリットがある。

 鳩山由紀夫首相は依然として「県外移設」案を完全に捨てたわけではないが、シュワブ陸上部に600メートル級のヘリ離着陸帯を造り、可能な限りのヘリを徳之島に移す政府案は、米側が拒否する姿勢だ。地元住民や社民党も反対しており、合意の可能性は小さい。

 このため、政府・与党内では米国と地元、連立与党が合意する「5月決着」は絶望視され、このままでは普天間飛行場が継続使用される最悪のシナリオが現実になる。浅瀬案は「移設問題を何とかソフトランディングさせる」(政府高官)ための苦肉の策だ。

 ただ、鳩山政権はこれまで「少なくとも県外移設」と訴え、県外移設への期待感を高めてしまっていただけに、首相の責任を問う声が上がるのは確実だ。また、県外・国外移設を主張する社民党が浅瀬案で納得することは考えにくく、首相は連立政権の枠組みに関して重大な決断を迫られる場面も出てきそうだ。

 政府・与党は、浅瀬案に加え、これまでの県側の要望も踏まえ、現在の環境影響評価(アセスメント)の許容範囲内で現行案を沖合移動させる修正案の可否も検討。2本のV字形滑走路を建設する現行案を滑走路1本に縮小する新たな修正案も浮上している。

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