カリフォルニア州連邦地裁の判事は、意図しない突然の加速問題などでトヨタ自動車を相手取って起こされた多くの訴訟の一括審理の最初の審問を来月行うと明らかにした。
同州サンタアナ連邦地裁のジェームズ・セルナ判事は5月13日に第1回審問を行う旨通知した。
トヨタは過去数カ月中に、同社の車が突然加速するとの報告が相次いだことを受けて、米国で600万台、世界全体で800万台以上のリコール(回収・無償修理)を行った。今回起こされている訴訟の一部には、突然の加速で死傷者や重傷者が出たとの訴えがあり、そのほかでは、リコールの影響で車の転売価値が下落したことによる損害賠償請求などがある。
5月の審問は、どのような形で審理が進められるかの方向付けが行われるため重要だ。例えば、関係者はそれぞれの訴訟についてどのように集団的に証拠集めをするか決めなければならない。セルナ判事は、死傷事故訴訟とその他の訴訟を一括して取り扱うことを決めている。
同判事は、トヨタを追及する際に指揮をする原告側弁護士を選任、あるいはどの弁護士がいいかを示唆する可能性があるため、原告側弁護士にとっても審問は重要なものになる。問題は、少数の弁護士で分けられる2億~5億ドル(約190億~470億円)の弁護士報酬だ。
同判事は審問までの期間に指揮をする原告側弁護士3人を選定した。同判事は、この選定は暫定的なものだとし、「将来の指名の先取りではなく、単に訴訟手続きを始めるための方法だ」と述べた。
3人のうちの1人であるスティーブ・バーマン弁護士は「この訴訟はトヨタが何を、いつ知ったかを明らかにする上で意欲をかき立てるものがある」とし、「われわれには集団訴訟者を代表する米国で最も優秀な弁護士の何人かがいる。真実を見つけることができると確信している」と述べた。