先月、多数の機器の点検漏れが発覚し、原子炉の運転を止めるという異例の対応を取った中国電力の島根原子力発電所で、地元の島根県と松江市が立ち入り調査を行った結果、点検したかどうかの記録が書類によって異なるといった、ずさんな実態が明らかになりました。
島根原発では、先月30日、2基の原発のあわせて123の機器で決められた点検が行われていなかったことが発覚し、中国電力は、運転中だった1号機を止めるという異例の対応を取りました。島根県と松江市の16日の立ち入り調査では、担当者が点検漏れがあった機器や書類を確認しました。その結果、点検した内容や計画が書かれた書類では「点検済み」と記録されているのに、別の書類では点検した記録がないといったケースが数多く見られ、ずさんな実態が明らかになりました。調査をした島根県の福間亮平危機管理監は「1日も早く県民の信頼が回復できるよう、全社をあげて取り組んでもらいたい」と話していました。中国電力は、点検漏れの原因や再発防止策を30日までにまとめ、経済産業省の原子力安全・保安院に報告することにしています。