第5回エンゾ早川のロードバイク講習の写真レポート(2010年4月8日、9日)
2010年最初のロードバイク講習は、ちょうど桜の満開日に開催することになりました。今回は、整形外科の医師のお二人と、昨年の講習卒業生OBのお二人が参加され、講習中メディカルな専門用語が飛び交う中、OBにはワンランク上の技術指導もあり、少数先鋭のかなりハイレベルな講習会となりました。また、二日目の70kmロードでは、最期の難関の蛇石峠で、初参加のUさんが峠入口から前代未聞のアタックをしかけたり、OBのMさんが蛇石峠コースレコード15分10秒をたたき出したりで、緊張感あふれるワンデイレースのような70kmロードになりました。今回はスペシャライズド、ジオス、ピナレロ、ビゴレが集まりました。
初日のオリエンテーションでは、一人一人が自己紹介します、その後講師エンゾ早川から1泊2日講習のスケジュールやポイントなどが説明され、それが終わると、すぐに現状把握のためのビデオ撮影ロードに出発です。
上ハンと下ハンの平地走行、シッティングとダンシングの登坂走行のビデオ撮影が終わって、工房に戻り、いよいよエンゾ早川による一人一人のポジション出しとセッティングが始まりました。今日のトップバッターは、愛知県で整形外科医師をされているUさん、ビゴレのスチールフレームで組み上げられたこだわりのバイクで参加されました。
Uさんの最初の改善点は、サドルとシートポストの交換です。現在使用しているサドルは、その形状から骨盤が当たる位置が不明瞭でおしりの位置が決まらない欠点がるので、エンゾ早川氏は交換を薦めました。さらに、サドル後退幅をもっと大きくとりたいが、今のシートポストではこれ以上無理なので、さらに大きく後退幅がとれるシートポストに交換しました。
さらに、Uさんの望むフィーリングに近づけるために、クリートの位置を修正しました。エンゾ曰く「一般的に、クリートの位置って、ホビーライダーは関心をもっていませんが、実はものすごく重要なんです・・・」
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サドルとシートポストを交換し、クリートの位置を調整して、再びローラー台で検証する。Uさんのフィーリングや乗りクセを聞き出しながら何度も微調整する、この段階でUさんのフォームにも大きな変化が現れてきた。下半身のポジションが決定後、ハンドル角度、ブラケット位置、ブレーキのあそび、エンドの曲がり、等が修正された。このセッティングで、前項姿勢の強いトライアスロン乗りだったUさんのフォームは、サドルに骨盤が立ち、肩胛骨が前に出て、ロードバイク乗りのフォームに修正されていった。
2番目は、東京都で整形外科医師をされているKさん、ロードバイクを始めたばかりの入門者として参加された。
Kさんはビデオ撮影のとき、ハンドル位置が高すぎて、まったくハンドルを引けてないフォームだった。正確に股下長を測り、サドル高を11mm短くした。そしてシートポストを交換してサドル後退幅を10mm長く出し、ハンドル幅を380mmから360mmに交換した。
ステムも80mmから90mmに交換し、サドル-ハンドル高低差を現状から35mm大きくした。
これらの大手術によって、Kさんのフォームは生まれ変わった。上半身でしっかりハンドルを引いていて、背中には「ラクダのコブ」が出てきた。オドメーター1400kmの入門者のフォームにはとうてい見えない。これが見た目だけの変貌では無かったことが、翌日の70kmロードを本人もビックリの見事なタイムで完走したことで証明しました。
3番目は、昨年9月のロードバイク講習に参加された卒業生のFさん。前回は、「上半身が使えてない」という指導を受けたので、今回はそれが改善されているかチェックするために参加されました。この8ヶ月でかなり上半身が使えるようになっていましたが、ブラケット(変速機)をシマノからカンパに変えたことによって、シマノを握るクセが、カンパを握るときにも出てしまい、パワーロスが発生しており、カンパのブラケットの正しいセッティングの仕方や握り方が指導されました。
4番目は、昨年4月のロードバイク講習に参加された卒業生のMさん、この1年間、箱根旧道ヒルクライムで自主練習を重ね、その成果をチェックするために参加されました。セッティングではまったく問題なし、ライディングフォームも前回はダンシングでバイクを振れていないとアドバイスを受けていましたが、今回はきっちりとバイクを振り、蛇行せず、ハンドルも十分に引き、バランスも良く、完璧に仕上げてきました。これが、見た目だけではないことが、翌日の70kmロードで証明されました。最後の難関、蛇石峠を15分10秒というものすごいコースレコードで駆け上がってしまったのです。失礼ですがあえて年齢を発表しちゃいます、51歳です、信じられますか?
夕食が始まり、それぞれのロードバイクとフォームが生まれ変わったことを祝して、赤ワインで乾杯です。そして、恒例のビデオによる個別指導が始まりました。初参加の二人は自分の走っている姿をビデオで見るのは初めてで、画面を食い入るように見ながら講師に質問攻めでした。そして、夜更けまで、深遠なるロードバイクの世界を語り合いました。
そして、翌日、二日目の朝ミーティング、南伊豆70kmコース説明のあと、講師エンゾ早川から今日の課題が発表された。全員やや緊張気味でしたが、ロード出発後は、それぞれ昨日とは見違えるようなフォームで、エンゾ早川を先頭に見事なトレインで、南伊豆の海岸線70kmを過去最高のペースで全員完走しました。みなさん、お疲れ様でした!みなさんの熱い参加で第5回ロードバイク講習も大成功で終わりました。そして、主催者として私がとても嬉しかったのは、修了式が終わってから、Uさんが10月講習にOB参加を決め、Kさんが7月のアマゴ釣りツアー参加を決め、Mさんが11月のツール・ド・南伊豆参戦を決めてくれたことです。こうやって、みなさんとまた走れると思うと本当に嬉しいです。みなさんの厚い友情に心から感謝しています。ありがとうございました!